「潮音浜」癒やしの空間に 大船渡温泉 プライベートビーチが好評

▲ 大船渡温泉下に位置する「潮音浜」

 ㈱海楽荘(志田豊繁代表取締役)が運営する大船渡市大船渡町の大船渡温泉では、施設下に広がる海岸を「潮音浜」と名付け、宿泊客らに開放している。竹林の中を抜けた先で、リアス式海岸特有の岩場の景色や潮騒を楽しむことができ、夏場に入り来訪者も増えてきた。歩道や階段を整備した同施設では「音に癒やされてほしい」と期待を込める。(佐藤 壮)

 

 施設を出て、JR大船渡線BRT大船渡丸森駅付近を経由し、竹林の中を歩いて特設の階段を降りると、幅約100㍍にわたり砂利浜の海岸線が広がる。
 周囲は人通りがなく、プライベートビーチならではの落ち着きがある。浜の南側と北側では石の大きさが異なるためか、潮騒の違いも楽しめることから「潮音浜」と名付けた。
 大船渡温泉は、大船渡グランドホテル跡地の約1・8㌶に整備され、平成26年にオープン。同ホテルの営業時を知る関係者から「プライベートビーチがあった」との情報を得て、敷地内で浜につながる経路などを確認した。
 付近に防潮堤がなく、手つかずの海岸線を楽しめるほか、近くには養殖施設が浮かぶ。初夏には、ウニ漁の風景も。昨年から今年にかけて、竹林内の通路や階段を新たに整備した。
 チェックインを終えた宿泊客が散策するなど、気温が上がるに連れて来訪者が増えてきた。客室や浴場から見える風景とはひと味違った海の表情を楽しめる。
 朝焼けの美しさをはじめ、これまでも施設からの景観は多くの宿泊客を魅了してきた。インターネット投票による「温泉宿・ホテル総選挙2022」の絶景部門に今年もエントリーし、昨年に続く1位を目指している。
 開放を始めたことで、自主的に海岸清掃を行う従業員の姿が見られるなど、環境意識の高まりといった〝副産物〟も生まれたという。志田繕隆支配人は「やはり海を楽しみにしているお客様が多く、海岸ならではの音に癒やされてほしい。地域住民の方々が訪れる場合は、フロントにひと声かけていただきたい」と話す。
 問い合わせは大船渡温泉(℡26・1717)へ。