58ペアが白熱のラリー フレスコボール 東北初の公式戦大盛況(動画、別写真あり)
令和4年7月19日付 3面

一般社団法人日本フレスコボール協会(窪島剣璽会長、東京都、以下JFBA)が主催するビーチスポーツ・フレスコボールの大会「リクゼンタカタカップ2022」は17、18の両日、陸前高田市の高田松原海水浴場で開かれた。東北で初めて開催された公式戦で、全国からの58ペアが熱いラリーを繰り広げ、盛会裏に終了。〝思いやりのスポーツ〟を通じ、地域や年齢、技術に関係なく交流を深め合った気仙内外のプレーヤーらが「また高田松原で会おう」と約束を交わした。
フレスコボールは、2人一組でゴム製のボールを打ち合いラリーをつなぐラケット競技。ラリー回数の多さやテクニカルなプレーなどが得点につながる。全国で普及を進めるJFBAが、毎年各地で公式戦を開催している。
同市に大会を誘致したのは市観光物産協会(木村昌之会長)。東日本大震災からの復旧後2度目の海開きを迎える同海水浴場のにぎわい創出や、地域の新しい観光資源としてフレスコボールを取り入れようと誘致を企画。公式戦を行う全国7会場の一つに高田松原も選ばれ、地元での周知や競技の普及、県外から訪れるプレーヤーらに同市の魅力を知ってもらうための取り組みなどを進めてきた。
当初は、海開きの16日から2日間で開催する予定だったが、同日は雨のため順延。17、18両日の日程が再設定された。
初日は開会式を実施。あいさつでは木村会長が選手らの来市を歓迎し、健闘に期待をかけた。
その後、特設コートで1ペアずつ競技を開始。男子、女子、ミックス(男女)の三つのカテゴリーで上位を狙った。各ペアは7㍍間隔を空け、持ち時間5分間の中で白熱のラリーを展開。周囲に集まった観戦者も盛り上がりを見せた。
コートでは、同協会が4月から市内で開いてきた無料体験会の参加者が公式大会に初挑戦する姿も見られた。同市の地域クラブ「ボアソルチ」のメンバーとして登場し、緊張でラリーが続かない場面があっても、仲間の声援に背中を押されながら、最後までプレーし切った。
男子カテゴリーで気仙勢のトップで出場した同市矢作町の中嶋翔さん(30)は「周囲の人たちに盛り上げてもらい、楽しんでプレーができた。また挑戦してみたい」と笑顔を見せた。
2日目は男子、ミックス両カテゴリーの競技を行ったあと、表彰式と閉会式を実施。ファッション賞とベストラリー賞、各カテゴリーの優勝と2位、3位の入賞ペアをたたえ、優勝ペアには気仙杉で作られた記念品が贈られた。
兵庫県の選手とペアを組んだ大船渡市大船渡町の高橋庸充さん(81)は、今大会最高齢ではつらつとしたプレーを披露し、ベストラリー賞を受賞。「新しいことに挑戦したくて参加した。入賞はうれしく、とても楽しかった」と笑顔を広げていた。
大会開催中は、コート付近に一般社団法人・トナリノ営業部による「ビーチマルシェ」を開設し、地元食材の販売を行った。17日夜には、気仙町の陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)で「コミュニケーションパーティー」が催され、フレスコボールを通じてつながった参加者らが交流を深めた。
男子カテゴリーで優勝に輝いた外山祐次さん(46)=神奈川県=は、5月の同市での体験会で講師を務めた時以来の来市。「自然が豊かでとてもきれいで、住んでいる地域の人たちの心の温かさも感じた。また、この場所でプレーがしたい」と次回に期待をかけていた。