「将来はアスリートに」 立根小5年の長谷川君、村上さん いわてスーパーキッズに選出

▲ 本年度のスーパーキッズに選出された立根小の長谷川君㊨と村上さん。スポーツについて学びながら、将来のアスリートを目指している

 岩手県が取り組む「いわてスーパーキッズ発掘・育成事業」の本年度認定者(U―12)に、大船渡市立立根小学校5年の長谷川翔太君と村上楓果さんが選出され、4月から各種プログラムに励んでいる。「体を動かすことが好き」という2人は、「いろいろなスポーツを体験して、将来はアスリートになりたい」と大きな夢を抱きながら、大好きな運動を楽しんでいる。(菅野弘大)

 

 同事業は、世界で活躍するトップアスリートとなる人材の発掘、育成を目指し、平成19年にスタート。U―12(小学5、6年対象)とU―15(中学生対象)の2カテゴリーで、夏季、冬季オリンピックへの出場を目標に、日本を代表するトップアスリートの発掘、育成に加え、世界を目指すことのできる可能性の高いスポーツを見つけ、さまざまなスポーツへの挑戦から、世界に通じる「人間力」の育成を目的に実施しており、今年の北京冬季五輪ノルディックスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒル金メダリストの小林陵侑選手(1期生)を筆頭に、ノルディックスキー複合の谷地宙選手(5期生)、スピードスケートの吉田雪乃選手(7期生)などのアスリートを多数輩出している。
 U―12カテゴリーは、小学4年生で試験を受け、合格すれば小学5年から卒業までの2年間、スーパーキッズとして多彩なスポーツプログラムを受けるシステム。
 走ることが得意な長谷川君は、各種マラソン大会などに出場し、走るうえで重要な体幹を鍛えるためにダンスも習っている。村上さんは、市内の陸上教室やスイミングスクールに通い、活発に体を動かしており、2人は今回、保護者の勧めでスーパーキッズに挑戦。1次試験と最終選考の体力テストを見事クリアし、本年度のU―12カテゴリーの認定者31人に選ばれた。
 2人は4月から、各種スポーツの基礎的動作やアスリートを目指すうえで必要な知識、能力の獲得を目的とするスペシャルスクール、指定された特別連携競技の体験トレーニング、年2回のトレーニングキャンプ、体力測定など、幅広いプログラムに取り組んでいる。
 競技体験では、1年かけて普段あまり経験することのないラグビーやフェンシング、レスリング、スポーツクライミングなど13種目に挑戦。初体験の競技ばかりで、長谷川君は「初めての競技は緊張する」、村上さんは「楽しいけど難しい競技もある」と語るが、スーパーキッズの活動で、他地域の友達もたくさんできたといい、貴重な体験の数々に胸を弾ませる。
 将来の夢について、長谷川君は「ずっと陸上を続けてきたので、長距離や短距離の走る種目をやりたい。スーパーキッズを頑張って、目標は箱根駅伝やオリンピックに出ること」と大志を抱く。
 村上さんは「まだ目標は決まっていないけど、スーパーキッズの活動でたくさんスポーツを体験して、自分のやりたい競技が見つかったら、一生懸命練習したい」と話している。