「ありがとう昭和橋」 30日に感謝イベント 夏まつりに合わせて開催
令和4年7月27日付 7面

30日(土)に行われる住田町夏まつり(実行委主催)に合わせ、同町世田米で同日、「昭和橋ありがとうイベント」が開催される。長く地域に親しまれ、今秋以降の解体が予定されている昭和橋に感謝を示そうとの催しで、午後4時〜7時ごろにかけて、橋上への灯ろう展示や、橋の思い出を語り合う会が予定されており、町民らの来場を呼びかけている。(清水辰彦)
昭和橋は、世田米商店街と役場などがある川向地区を結び、昭和8年に架橋。長さ73㍍の橋は気仙川沿いに立ち並ぶ蔵並みと調和し、歴史や古き良きたたずまいを感じさせる景観を形成。高欄には、太平洋戦争の空襲で弾片が貫通したとされる穴があり、戦争遺産として昭和の記憶を受け継ぐ役割も担ってきた。
県の治水対策の一環として、アユ漁解禁期間終了後の今秋以降に解体工事が着工となるため、現橋は今年で見納めとなる見込み。
架橋以来約90年、地域住民の生活を支えてきた昭和橋。現橋への感謝を示すありがとうイベントは町が主催し、一般社団法人・邑サポートが運営。町観光協会、世田米、有住両小学校と保育園などが協力する。
イベントに向け、町内保育園や小学校、県立住田高校、町夢灯りの会では、「夢あかり」として灯ろうを制作しており、当日は完成したものを橋上に並べて点灯させる。
左岸側のたもとで思い出を語らう会も開き、通行人らを対象に昭和橋の思い出を寄せてもらい、「思い出の年表」を制作。後日、展示するなどして活用する予定。
邑サポートの奈良朋彦代表理事は「地域の皆さんに愛されてきた橋で、今年が最後の夏になるので、ぜひ飾られた姿を見に来ていただけたら」と話している。
イベントに関する問い合わせは奈良代表理事(℡090・9335・4258)まで。 住田町の夏まつりは新型コロナウイルスの影響で一昨年、昨年は中止したため、3年ぶりに開催。プレイベントは30日午後3時からスタートし、護摩行、スラックライン体験、五葉山火縄銃鉄砲隊のよろいを身につけるサムライ体験が行われる。
本イベントは同4時からスタート。開会式後、世田米、有住両中学生によるソーラン節などの披露、町内団体によるミニコンサート、鹿踊り、太鼓演奏、五葉山火縄銃鉄砲隊の隊列行進・演武を計画している。道中踊りは、感染防止などの観点から見送る。
当日午後6時から9時30分ごろまでは昭和橋付近の蔵並のライトアップも行われる。灯ろうに照らされた現橋と蔵並の幻想的な共演も見られそうだ。