3年ぶりの本番へ準備着々 山車制作、おはやし練習に熱 伝統行事つなぐ 「うごく七夕」の各祭組
令和4年7月30日付 7面

8月7日(日)に開催が予定されている、陸前高田市高田町の夏の風物詩「うごく七夕」。3年ぶりの祭りに向けて、町内各祭組では山車作りやはやしの練習などを行っている。新型コロナウイルスの感染状況に気をもみながらも、先祖供養の伝統行事成功に向けて「今できること」に熱を入れている。(阿部仁志)
うごく七夕は、盆の先祖供養のために江戸時代に始まったといわれる伝統行事。直近2年はコロナ禍の影響で中止したが、今年は感染対策や各祭組の事情に留意しつつ、開催する方向で協議を進めることを4月の第1回実行委で決めた。
山車の運行については、新型ウイルスの感染予防や人手不足など地区ごとに事情が異なるため、各祭組の意見を尊重。実行委によると、今年は参加する10祭組のうち7の祭組が運行予定という。
このうち大石祭組では、大石七夕祭組有志会(斉藤正彦会長)が春ごろから、山車を彩るアザフや、干支にちなんでトラの模様をほどこしたハチマキ(山車の上部の飾り)などの制作を進めてきた。
今月27日からは、太鼓と笛の練習も開始。同日夜の練習には斉藤会長(47)ら5人が参加し、山車の上で和太鼓の迫力ある音や横笛の調べを響かせた。
斉藤会長は「おらほの太鼓の音が響くと、やっぱりいいなと思う。七夕をやるんだ、という実感が湧いてくる」と喜ぶ一方で、「市内でコロナの感染者が増えていることが心配。大変な時期ではあるが、先祖供養の伝統は途切れさせたくない」とも語る。
3年前の祭りでは、中心市街地で10祭組の山車が共演した。今年の祭りについて同実行委では、来月1日(月)に本番前最後の会合を開き、まちなかで山車を運行する祭りを開催するかどうかを決定する。