イシカゲ貝 きょうから出荷 過去最多 90㌧目標 コロナ禍で需要不透明
令和4年7月31日付 2面
陸前高田市の特産品「広田湾産イシカゲ貝」の今季出荷は、31日に始まる。昨年に続き貝毒が検出された影響で、計画よりも約1カ月半遅れてのスタート。地域ブランドを知的財産として保護する国の「地理的表示(GI)保護制度」登録後初めての出荷で、数量は過去最多の約90㌧を目指す。ただ新型コロナウイルスの感染急拡大で需要の先行きは不透明で、市場の動向をにらみながらの出荷となる。(高橋 信)
31日の出荷量は、約2・1㌧を見込む。前日の30日は各浜で水揚げ作業が行われ、成育用のかごから取り出した貝を水洗いし、出荷サイズの大きさに達しているか確認しながら手際よく仕分けた。
今季は6月中旬の出荷開始を想定し、準備を進めていたが、まひ性貝毒で出荷を自主規制した。その後の検査で3週連続で基準値を下回り、今月26日に規制が解除された。
今季は成育が順調といい、11月末までの出荷を予定する。産品の確立した特性と地域との結び付きを証明するGIマークを使って販売する。
徐々に認知度が上がり、東京・豊洲市場を中心に高値で取引される中、気がかりは新型ウイルスの感染急拡大だ。昨年度の数量は62・5㌧と過去最多の平成29年度(68㌧)に次ぐ実績となったが、外食需要減の影響を色濃く受けて計画を大きく下回った。今季も需要を見極めながら各市場へ送り出すため、目標を達成できるかは感染状況が鍵を握りそうだ。
エゾイシカゲガイ(市場名=石垣貝)が本来の名称で、クリーム色のプリプリとした身が濃厚で甘く、高級二枚貝として料亭やすし店などで扱われる。広田湾漁協は全国で唯一、同貝を産業用で生産していることから、市などと連携しながらブランド化を推進しており、今年2月、「広田湾産イシカゲ貝」の名前でGI保護制度の登録にこぎ着けた。
同市では平成5年に天然の稚貝を採苗し、イシカゲ貝の養殖技術を確立。8年に本格的な生産が始まった。東日本大震災で養殖施設が壊滅し、平成26年に出荷を再開した。
同漁協広田湾産イシカゲ貝生産組合の熊谷信弘組合長(66)は「今年は過去最高の量を出せるという期待も大きかっただけに、貝毒で出荷が遅れてしまい残念。コロナで外食需要がどうなるのか不安感もある。一方でGIマークの使用がいよいよ始まる。安全・安心の貝を安定して出していきたい」と話す。






