中心市街地で山車運行 高田町うごく七夕 7日の本番へ実行委決める

▲ 山車の運行などについて話し合った実行委

 陸前高田市高田町の「うごく七夕」実行委員会(横田祐佶会長)は1日夜、同町の市コミュニティホールで第4回会合を開いた。7日(日)の本番前最後となった会合で、各祭組が中心市街地など町内で山車を運行することを決定。全国で新型コロナウイルスの感染が広がっている状況に留意しながら、先祖供養の伝統行事を次世代につなげようと、決意を新たにした。
 実行委は、4月に第1回会合を開き、直近2年間見合わせていた経緯も踏まえ、3年ぶりに開催する方向で協議を進めることを決定。山車運行のあり方などは本番直前の会合で最終判断することとしていた。
 この日の会合には、10ある祭組のうち9祭組の代表者らが出席。協議では、新型ウイルス感染が気仙でも広がっていることを認識したうえ、中心市街地で山車を運行することの是非などについて話し合った。
 はじめに、実行委の三役会から①当初の予定通り通常開催②密集を避けるなど規模を縮小しての開催③昨年、一昨年と同様に各祭組が地区単位で先祖供養行事を行う──の三つの案を提示。各祭組から意見を募った。
 この中では、山車の運行時間や、一定箇所での滞在時間をある程度定める②について、「天気にも左右される各祭組の運行を調整することは困難」「山車を動かせるかどうかも含め、各祭組の判断で良い」などの声があった。「予定通り開催を」という声も多く、結果、①と②の折衷案とする形で、山車の運行ありで開催することを決めた。
 このほか、実行委本部を置く同町の交流施設「ほんまるの家」周辺の交通規制や、当日の役割分担についても話し合った。出席者からは「3年ぶりの山車の運行となる。山車の足回りや電気系統などの点検は入念に」という呼びかけもあった。
 ほんまるの家周辺の交通規制は、午前9時~正午と午後5時~9時の時間帯で行う計画。山車の運行は7祭組が予定している。

 

山車の模型に七夕の成功を願う鈴木さん

山車の模型展示で機運盛り上げ/アバッセなど

 

 陸前高田市高田町のアバッセたかたパブリックスペースと陸前高田アムウェイハウス「まちの縁側」に、うごく七夕の山車を表現した模型が展示されている。同町鳴石の元大工・鈴木武幸さん(73)が制作したもので、「多くの人に見てもらい、祭り成功の機運を盛り上げたい」と願っている。
 模型は山車の10分の1サイズ。横60㌢、高さ50㌢ほどの山車を鮮やかなアザフや吹き流し、ナンバンなどで彩った。吹き流しや竹で作った〝みす〟などは取り外し可能で、予備の飾りと付け替えれば、違った雰囲気の山車にすることもできる。
 もともとは、東日本大震災前に幼かった孫のために作ったものだった。鈴木さんは「人と人とをつなぐうごく七夕は、地域になくてはならない祭り。自分も大好きな行事を次の世代に伝えていきたい」と、随時市内で展示してきた。
 今年は3年ぶりに山車を運行する形式で開催される。「地域住民、特にも子どもたちの思い出に残る祭りになってほしい」と話している。