世代超えつながる場に 典人会がひまわりカフェ開所 飲み物や軽食提供、農業体験も(別写真あり)
令和4年8月6日付 7面

大船渡市の社会福祉法人典人会(内出幸美理事長)は5日、大船渡町のグループホーム「ひまわり」の隣に「みんなあつまれ!ひまわりカフェ」を開所した。誰でも気軽に立ち寄ることができ、飲み物や軽食を提供。地域の子どもたちや施設に入所している高齢者らが共同で農作業や煮炊き、絵画の制作なども行い、世代のつながりを大切にする場を創出する。(八重畑龍一)
完成したカフェの前で同日、神事と開所式を行い、法人関係者や地域住民、施設入所者ら約40人が出席した。
内出理事長は「地域の方を問わず、赤ちゃんからお年寄りまでどなたでも気軽に立ち寄っていただき、食べたり、飲んだりするのはもちろん、集まっていただいた方が得意なことを発揮し、教えたり、教えられたりする『響き合うカフェ』にできればいいと思っている」とあいさつした。
隣接する介護老人福祉施設に入所している金野登喜男さん(91)の音頭で「(開所)おめでとう」を三唱し、餅まきで祝った。
カフェは昨年再開したグループホーム「ひまわり」の西側に隣接。木造平屋建てで床面積は49・68平方㍍。4月下旬に地鎮祭を行い、整備してきた。総工費は約1500万円。
アイランドカウンターキッチンやダイニングテーブル、ソファセットなどを設け、コンセプトの一つである「古き良き」を大切にし、いろりも設置した。隣接するグループホームや介護老人福祉施設などの入所者やボランティアらで運営する。
日中は毎日開放し、夜間も利用の希望があれば、随時受け付ける。ジュース、コーヒー等の飲み物、かき氷などは無料で提供し、「お気持ち料」を募る仕組み。ピザ、パン、団子などの軽食は業者に委託販売を依頼する。
SDGs(持続可能な開発目標)を意識した取り組みとして、今後はまきストーブや屋外にかまど、ピザ窯を設置する。ヤギの飼育によるチーズ作りや野菜を栽培する農作業体験、東京藝術大の学生の協力を受け、将来に向けたメッセージを込めた絵画の共同制作なども計画している。
近隣住民を代表し、村上誠富沢二区公民館長(72)は「中に入らせていただいたが、本当にいいところだ。地域住民にも開放ということなので寄らせていただく。温かい笑顔があふれる場になればいい」と期待を込めた。
同法人ではカフェの運営ボランティアも募集している。利用などの問い合わせは同法人(℡27・8605)へ。