秋冬の宿泊観光需要創出へ 9月から第3弾支援事業 4000円分助成と1000円クーポン 予約受付スタート
令和4年8月16日付 1面

大船渡市の宿泊観光回復事業「大船渡に泊まってHappy!大作戦Part3」は、9月1日(木)の利用開始に向け、今月15日から予約受け付けが始まった。新型コロナウイルスの独自支援策で、1人1泊につき最大4000円分の宿泊助成と、1000円分のクーポン券を交付。市内では7~8月は一定の宿泊利用がある一方、秋以降は落ち込む傾向があり、関係者は幅広い需要の取り込みに期待を込める。(佐藤 壮)
16施設で計1万泊分対象
この事業は、コロナ禍で減少した観光客や宿泊客の回復に加え、地元商店の利用喚起を図る取り組み。第1弾は令和2年9月~3年2月、第2弾は同年7月~4年1月に行われた。
第3弾は16施設が対象。前回から2施設減り、新規で1施設が加わった。市民を含む国内居住者が対象で、観光目的以外での利用はできない。期間は9月1日~来年1月9日(月・祝)の宿泊分までで、予約申し込みが予算額に達した時点で終了する。
1人1泊につき、宿泊料金から最大4000円が割り引きとなり、さらに市内飲食店や商店で使えるクーポン券1000円分が交付される。宿泊料金が5000円未満の場合、割引額は宿泊料金から1000円を差し引いた金額が上限となる。
対象宿泊施設から選び、直接電話やオンラインシステムで同事業の利用であることを示し、予約する。宿泊やプランは施設ごとに異なるため、予約時に宿泊料金を確認する。
チェックイン時に、利用する代表者が運転免許証など身分証明できるものを提示し、宿泊確認書に記入。ワクチン接種証明などの提示は求めない。利用者は、割引後の金額を支払う。
今回も、他の割引助成事業との併用が可能。連泊は1回2連泊までで、利用回数の制限はない。
修学旅行も対象。新型ウイルスの感染状況によっては、利用対象者を見直す場合がある。
昨年1~12月における市内観光客数の総計は48万3611人で、前年比12・4%増。宿泊数は13万2092人で、前年を0・5%上回った。しかし、コロナ禍前の令和元年との比較では、観光客数は38・7%減。宿泊者数も37・7%減で、厳しい実績に終わった。
市では関連補正予算を今年の6月定例会に計上し、7月からの開始も視野に入れていた。一方、7~8月は例年、市内では一定の宿泊需要があることから、宿泊関係事業者との意見交換会で寄せられた意見を踏まえ、9月開始とした。コロナ禍前の令和元年実績をみると、7~8月は月間2万人前後の宿泊者数だったが、9~12月は1万7000人前後で推移した。
対象施設となっている大船渡プラザホテルを運営する㈱サクラダの今野廣己常務執行役員は「宿泊業者にとっては、9月からの方が助かる。地元の宿泊利用もあり、飲食店にも波及がある事業。今後はさらに、新型ウイルス感染拡大の影響が収束してもらえれば」と話し、期待を込める。
事業に関する問い合わせは、市観光物産協会(℡21・1922)へ。対象施設は次の通り。
▽大船渡町=只野旅館、B&B光潮荘、大船渡温泉、宿家坂の上、シティホテル山口、大船渡プラザホテル、つつみ旅館、ホテル福富、ホテルルートイン大船渡、菊水館
▽立根町=大船渡インターホテル椿
▽盛町=民宿刈谷ハイツ・C
▽三陸町綾里=やすらぎの宿廣洋館
▽末崎町=海鮮の宿ごいし荘別邸海さんぽ
▽赤崎町=フレアイランド尾崎岬
▽三陸町越喜来=甫嶺復興交流推進センター