新たな食で観光回復を 「大船渡さんま重」開始 碁石海岸レストハウス 地元産にこだわり提供(別写真あり)

▲ 碁石海岸レストハウスで提供が始まった「大船渡さんま重」

 大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウスは23日、大船渡産サンマを生かした新メニュー「大船渡さんま重」の通年提供を始めた。サンマのみりん干し1枚に加え、白米にはひつまぶし風にほぐした身を混ぜた。さらに地元産のワカメや「かもめの玉子」も添えるなど、大船渡らしさへのこだわりが光る。コロナ禍で苦境が続く中、本格的な観光回復を見据えて、関係者は各飲食店への広がりも見据える。                (佐藤 壮)

 

 提供開始に先立ち、22日には2階食堂で観光物産協会や市関係者らを招いた試食会を開催した。まず目を引いたのは、重箱からはみ出たサンマの尾。ふたを開けると、みりん干し1枚が乗り、香ばしさが広がる。
 骨まで食べられるみりん干しに加え、白米にはほぐし身を混ぜ込んだ。サンマを用いて「うな重」や「ひつまぶし」を一度に味わえるような工夫を凝らした。
 食事の途中には、スタッフが和風のだし汁を用意。好みでわさびを溶いて重箱に注ぎ、お茶漬けのように食べることで〝味変〟も楽しめる。
 さらに、ワカメの葉、茎、めかぶを使った一品が並ぶほか、ユズを練り込んだそばや、ミニサイズのかもめの玉子も添え、多彩なおいしさを詰め込んだ。試食では、「どれもおいしい」「思ったよりも食べやすい」と好評の声が相次いだ。
 これまで、食堂の名物メニューは、平成22年から提供している「さんまらーめん」。みりん干し1枚を乗せたラーメンを提供し、個人や団体問わず幅広い観光客から人気を集めてきた。
 近年は、新型コロナウイルスの影響で観光客が減り、レストハウスも苦境が続く。こうした状況を打破しようと、施設を運営する㈱小川(小川廣文社長)では新メニュー開発に乗り出した。
 小川社長(68)は「コロナで落ち込んだ観光を何とか回復させたい。グルメ研究会が中心となって展開してきた『さんまらーめん』のように、一定のルールを設けて、各飲食店が独自の工夫も加えながら提供し、観光振興にもつながれば」と期待を込める。
 大船渡さんま重は1食1300円で提供。レストハウスは不定休。食堂の営業時間は午前11時~午後2時30分で、ラストオーダーは同2時。問い合わせはレストハウス(℡29・2121)へ。