有事に備え住民が協力 中田団地で初の消防訓練 入居世帯の8割が参加(動画、別写真あり)

▲ 訓練では入居者が消火器や発電機の使い方なども学んだ

 陸前高田市高田町の災害公営住宅・中田団地で25日、初の消防訓練が行われた。居住世帯の8割、居住者の半数以上にあたる185人が参加し、お互いに顔を合わせながら、団地内で火事が起きた際や停電時などの対応について確かめ合った。
 訓練は中田団地自治会(中井力会長)が企画し、同市消防署の協力のもと、午前10時に2号棟から発火、エレベーターは故障したという想定で実施された。非常ベルが鳴った後、住民は「安否OK ○号室」と記された安否確認ステッカーをドアの外側に貼ってから、階段を使って避難を開始。初期消火と通報、班長による避難世帯の報告など、事前に打ち合わせた手順を確認しながら、スムーズに避難できるか、不備はないかなども点検した。
 続いて2グループに分かれ、自治会の備品である発電機の操作方法、消火器の使い方について学習。参加者は、停電時には集会室で炊き出しを行える用意があることや、消防署員による放水のデモンストレーションを通じ、団地屋外に「連結送水管」が設置されていることも知った。
 中田団地は市内でも大規模な災害公営住宅の一つで、193戸におよそ350人が暮らす。これまでもAED講習会や消防署員による講話などを実施してきたほか、大量の炊き出しを行えるよう、発電機、炊飯器や鍋などの備品を購入し、有事の備えを強化。昨年7、10月にはこれらを使って住民にカレーを振る舞うなど、コロナ禍で自治会活動が停滞する中でも、万が一の際の相互扶助のため、住民同士が顔を合わせる機会を設けようと工夫している。
 同日は自治会役員と班長を中心に、乳幼児とその保護者、高齢者まで、幅広い世代が訓練に参加。避難世帯率は全体の86%に達した。中井会長は「きょう初めて見る顔もあり、予想以上に参加してもらえたことを実感する。互いに顔を知っておくことや、住民の健康状態を把握しておくことが防災の上では重要。足の悪い人をどうやって下まで避難させるかといった課題にも対応できるよう、皆で考えていきたい」と語った。
 入居者の伊勢勤子さんは、「今回はエレベーターが使えなくなるという設定だったが、団地には小さいお子さんや体が悪い人も住んでおり、あらかじめいろんな不測の事態を想定しておくことが大切だと痛感した。〝想定外の出来事〟を一つずつつぶしていくため、消防団や市認定の防災マイスターらとも連携して、さまざまな訓練を重ねていければいいのではないか」と話していた。