気仙杉のトロフィー好評 フレスコボール公式大会で使用 矢作町の平山さん夫妻制作

▲ 「リクゼンタカタカップ」の記念品や、「アリアケカップ」「オオクラカップ」用に手がけた気仙杉のトロフィーを持つ直さん㊨と朋花さん

 陸前高田市矢作町で林業、木工業を営む平山直さん(32)、朋花さん(33)夫妻は、一般社団法人日本フレスコボール協会(窪島剣璽会長、東京都、JFBA)が全国で開いているビーチボールスポーツ・フレスコボールの公式大会用のトロフィーを地元産材の気仙杉で制作している。7月に同市の高田松原で開かれた「リクゼンタカタカップ」で優勝ペア向けの記念品を作ったことがきっかけ。平山さん夫妻は「木に親しむ人が増え、気仙に興味を持つ人が増えるきっかけに」とトロフィーに心をこめる。(阿部仁志)

 

陸前高田大会が縁 

 

 フレスコボールは、2人一組でゴム製のボールを打ち合いラリーをつなぐ、ブラジル発祥のラケット競技。全国で普及を進めるJFBAが、毎年各地で公式戦を開催している。
 今年は7会場で大会を開催。2月の沖縄会場からスタートし、7月には東北初となるリクゼンタカタカップを開いた。今月22(土)、23(日)の両日には、最後の会場となる千葉県千葉市の「ジャパンオープン」を控えている。
 フレスコボール愛好者で、気仙杉を材料にしたラケットの制作を手がけている平山さん夫妻。4会場目となったリクゼンタカタカップにおいては、大会を誘致した同市観光物産協会(木村昌之会長)の依頼を受け、優勝ペアに贈る記念品を制作した。
 記念品は、気仙杉をフレスコボールのラケットの形に整え、表面にレーザー彫刻で奇跡の一本松のイラストをあしらったもの。ご当地ならではの〝トロフィー〟として優勝ペアに喜ばれ、ほかの大会参加者からも「他地区の大会でもトロフィーを作ってほしい」と好評の声が挙がった。
 これを受け、JFBAでは平山さん夫妻にトロフィーの制作を依頼。8月に香川県観音寺市で開かれた「アリアケカップ」と、9月に兵庫県明石市で開かれた「オオクラカップ」、さらに、今月の「ジャパンオープン」の入賞ペア用のトロフィーを作る運びとなった。
 大会ごと、男子、女子、ミックス各カテゴリーの優勝、準優勝、3位ペア、計18個のトロフィーを制作。優勝のデザインは、リクゼンタカタカップ記念品と同様の形で、土台を含めて高さ25㌢、幅10㌢ほど。準優勝と3位ペア用には「砂浜にラケットを置いたイメージ」の新デザインを考案し、高さ15㌢ほどのサイズに収めた。
 レーザー彫刻する表面のイラストは、運営側から要望を受け大会ごとに変更。すでに開催されたアリアケカップでは市木のマツの木や「銭形砂絵」として地元の砂浜に描かれる寛永通宝をデザイン。オオクラカップでは会場の大蔵海岸から一望できる明石海峡大橋が選ばれた。
 ジャパンオープン用のトロフィーは「今年最後を飾る大会」とし、これまでと違う形も検討しながら現在制作を進めている。
 勝ち負けを競うのではなく、ペア同士で協力し合いながら上位を目指す〝思いやりのスポーツ〟に魅力を感じ、自らプレーも楽しむ直さん。「参加者がみんないい人たちで、その人たちが気仙杉を使ったトロフィーをもらい心から喜んでもらえたことがうれしい」と語る。
 朋花さんも「トロフィーを気に入ってもらい、次も制作をお願いしたいと話してもらえて良かった」と笑顔。すでに、来年の大会で使用されるトロフィー制作の話も出ているという。
 リクゼンタカタカップは、市観光物産協会の「フレスコボールを陸前高田の新たな観光資源にしたい」という思いから実現した大会。陸前高田とこれまで接点のなかった人との交流が生まれ、気仙杉のPRや活用の可能性拡大につながったことを同協会関係者も喜ぶ。
 直さんは「木材になじみのない世代に、純粋に〝木っていいな〟と思ってもらえるきっかけにもなる。木ならではのぬくもりや良い香りが大会参加者の思い出を彩ってくれればうれしい」と願っている。