絵手紙で心通わせ 訪問50回 陸前高田で教室開き交流 北上の高橋さん 震災発生直後から足運ぶ
令和4年10月12日付 7面
北上市の日本絵手紙協会公認講師・高橋ヨシ子さん(79)は東日本大震災後、本県沿岸での絵手紙教室の指導を通じ、被災者と交流を深めている。陸前高田市には震災の発生直後から通い、今月、訪問は50回の節目を迎えた。ぬくもりあふれる絵手紙をきっかけに住民と心を通わせ、高橋さんは「支援ではなく交流。自分自身も元気をもらっている」と紡がれた絆を大切にしている。(高橋 信)
陸前高田市での思い出、市民からかけられた印象に残る言葉を写真や絵手紙に残している
教室は8日、米崎町の朝日の当たる家で行われ、常連となっている市内の女性4人が参加した。いずれも高田高第2グラウンドにあった応急仮設住宅の入居者。同仮設集会所で始まった高橋さんの教室に通っていたのが縁で、仮設撤去後の今も交流している。
その一人、高田町の柳下サキ子さん(70)は「教室よりも高橋さんを囲み、みんなで話をするのがメインのような感覚。それぐらいつながりは太い」とほほ笑む。「震災で失ったものは多い。でも高橋さんのように支えとなってくれる人との出会いもあった。大切な財産です」とうなずく。
高橋さんは、北上市に住んでいた知り合いが震災の津波で亡くなったことを知り、「被災地の力になりたい」と思い、発災翌月の平成23年4月から本県沿岸での支援活動に携わった。
陸前高田市には、避難所で被災者に振る舞う食事作りに協力したのを機に訪れるように。通い続ける中で、被災者から「気分転換できることがあればいいな」と相談を受け、「心のケアにもなれば」と、震災発生から数年後、絵手紙教室開催に乗り出した。
その後も同市には数カ月に1回程度足を運び、今回で50回目を数えた。仲良しの住民と参加した市内でのイベントなど、交流の足跡を記録したアルバムの写真は大切な宝物だ。
高橋さんは「教室の参加者に言われた『生きていて良かった』という言葉はずっと忘れない。これからもこの縁を大事にしていきたい」と誓う。
高橋さんは今回の教室に合わせ、自身が指導するサークルなどがJR新花巻駅に展示した鉄道開業150周年記念の絵手紙約80点を持参。住民に見てもらおうと、朝日の当たる家で18日(火)まで展示している。
作品は自由に見学でき、開館時間は午前9時~午後5時。休館日は毎週木曜と16日(日)。問い合わせは、朝日の当たる家(℡47・4750)へ。






