「日本の至宝」気仙で初展示 吉澤章氏ORIGAMI展 22、23日に一本松Hで
令和4年10月16日付 7面

数々のオリジナル作品を創出し、日本の折り紙を「ORIGAMI」として世界に知らしめた故・吉澤章氏の作品展が22日(土)と23日(日)、陸前高田市高田町の市民文化会館・奇跡の一本松ホールで開かれる。会場では折り紙のワークショップも行われ、1枚の紙からさまざまな世界が広がっていくさまも体験できる。主催者は「吉澤先生の作品は、世界に誇る『日本の至宝』。ぜひこの機会に、生命の息吹が感じられるような折り紙の数々をご覧いただきたい」として来場を呼びかける。(鈴木英里)
吉澤氏は明治44年、栃木県出身。病床の母をなぐさめるために独学で始めた折り紙をたゆまぬ研究心によって発展させ、平成17年に94歳で亡くなるまで、動物や植物などあまたのオリジナル作品を編み出した。その複雑かつ精巧な技法は翻訳出版もされているほか、自身も講師として各国に出向き、晩年に至るまで世界に「ORIGAMI」の魅力を普及し続けてきた。
気仙で吉澤氏の作品展が開催されるのは初めて。同氏が創設した「国際折り紙研究会」が主催し、陸前高田市教委、岩手日報社、東海新報社が後援する。
会場には「草・木・花」「人と面」「季節と行事」「鳥・恐竜」「動物」「海の生き物」とテーマ別に、およそ400点の作品を展示。8割が吉澤氏の作品で、残りは同研究会員たちが、同氏の技法を受け継いで制作したものになる。
両日とも来場者先着30人には、折り紙作品をプレゼント。また、一般向けワークショップも実施する。比較的易しい折り方を会員が伝える。参加費は200円で、予約不要。
同研究会の塩川誠代表幹事は、「先生の作品は、平面ではなく立体的。生き物であればその骨格や筋肉まで徹底的に観察し、再現しようとされる。中国からパンダが来た時は、上野動物園に1カ月通ってスケッチし、その姿を創作されたほど」と、吉澤氏の制作姿勢を振り返る。
そのうえで、「見た方が必ずと言っていいほど、『今にも動き出しそう』と感想をもらす。実に生き生きとして温かみのある吉澤先生の折り紙を、実際に間近で見てほしい。ワークショップでも先生の特色がよく表れている作品の折り方をお伝えするので、その魅力を体験していただければ」と話している。
展示時間は両日とも午前9時~午後4時。市産業まつりと開催が重なり、同ホール付近の一部で交通規制等があるため、来場時は注意を。問い合わせは同ホール(℡22・9666)へ。