大名行列舞の練習佳境 30日に秋葉神社大祭
令和4年10月23日付 8面

陸前高田市米崎町の勝木田地区に鎮座する秋葉神社(本多修宮司)の五年式年大祭は30日(日)、同地区で行われる。当日は、神輿渡御に合わせ伝統の大名行列舞も披露される予定。舞の練習や装飾品の準備などが佳境を迎え、関係者が本番成功に向けて結束を強めている。
大祭は実行委(熊谷賢一委員長)が主催し、火防守護や家内安全、五穀豊穣などを祈念する伝統行事。戦前は10年ごとに開かれていたが、戦後は5年に1度として催されている。
地区内を回る神輿渡御に合わせ、背に神の御座を頂く駿馬「曲彔馬」と、お供役の大名行列を披露するのが特徴。地区民で構成する大名行列舞組が、勇ましい踊りを繰り広げて花を添える。
準備は9月から本格化。大名行列舞組メンバーは週6日の練習日を設け、同神社社務所前の広場に集まって舞の練習に励んでいる。
21日夜は約20人が集合。朗々と歌われる『秋葉大名行列舞唄』『金山家納唄』に合わせ、毛槍や挟箱といった大小さまざまな道具を投げ渡す動きなどを繰り返し、それぞれ技を磨いた。
大名行列舞を取り仕切る若衆頭の熊谷伸彦さん(58)は「仕事があり全員集まっての練習はなかなか難しいが、若い人たちにも協力してもらい準備は順調。頑張って練習した成果をぜひ地域の人たちに見てもらいたい」と意気込む。
東日本大震災後の平成24年の大祭は神輿渡御のみ実施。29年は大名行列舞を復活させたが、あいにくの雨で外での実施はかなわず、代わりに高田東中体育館で奉納した。
本多宮司(79)は「勝木田地区の郷土芸能で誇りとも言える大名行列舞。みんなに熱心に練習してもらいうれしい。祭りは地区民が集まって交流できる機会でもあるので、大変なこともあるが成功させたい」と好天を祈る。
当日は午前8時30分に社殿で例大祭を実施。同9時10分に神輿渡御が始まり、浜砂漁港と二所神社の2カ所では御旅所祭を執り行う。
恒例の地区住民による手踊りや子ども虎舞の奉納は、新型コロナウイルスの影響などから今回は見送る。