2022市長選/鵜浦氏(大船渡町、NPO団体代表)が起意 新人5人目 女性は初、過去最多の大混戦へ
令和4年10月25日付 1面
11月20日(日)告示、27日(日)投開票の大船渡市長選挙に、新人でNPO団体代表の鵜浦真紗子氏(67)=大船渡町=が出馬の意思を固めた。無所属で臨むとみられる。立候補の意思を示した新人は5人目で、女性は初めて。現職・戸田公明氏(73)=猪川町=は勇退を表明しており、12年ぶりの新リーダー選出は、過去最多の候補者数による戦いが確実視される。(佐藤 壮)
23日夜、複数の市議会議長経験者を含む市民有志が鵜浦氏の自宅を訪れ、女性目線や国際経験を生かした市政運営に期待を込めながら出馬を要請。その場で鵜浦氏が起意を示した。
東海新報社の取材に対し、鵜浦氏は「子どもたちが大人になった時、古里に対して誇りを持てると同時に、地球目線で物事を考え、足元から行動して地域に貢献できるようなまちづくりを進めたい」と話した。
近く、正式に出馬表明をする見通し。選挙は初挑戦で、後援会組織の立ち上げを急ぎ、支持拡大を図る。
鵜浦氏は東京生まれで、大船渡小、大船渡中などを経て、国際基督教大卒。国際連合大学ゼロエミッション研究構想の設立メンバーとなったほか、愛知県で平成17年に開催された「愛・地球博」では環境プロデューサーにも就いた。
震災後は日米の復興支援の橋渡しを見据え、米国ロサンゼルスで大震災復興支援プロジェクト「LOVE TO NIPPON PROJECT」を設立し、今も代表として活動。南カリフォルニア岩手県人会長や、さんりく・大船渡ふるさと大使なども務めている。
今市長選を巡っては、いずれも新人・無所属で、イベント企画業代表の鈴木茂行氏(53)=猪川町=と、元会社役員の村上守弘氏(63)=同町、前市議会議長の渕上清氏(64)=盛町、元市議の佐藤寧氏(55)=立根町=の4氏が出馬を表明し、後援会活動を進める。
3期目の現職・戸田氏は、8月に勇退を表明。前回選に挑んだ元参議院議員の藤原良信氏(71)=日頃市町=に出馬の構えはない。
今市長選は、昭和27年の市制施行から数えると通算20回目。三陸町との合併後は6回目、東日本大震災以降は3回目となる。
4人が出馬した昭和59年の第10回以降、複数候補による競争選挙が繰り広げられてきた。新人同士による争いとなれば、現職の戸田氏が初当選を飾った平成22年以来となる。
また、女性が出馬すれば、同市長選史上初。候補者が5人以上となれば過去最多で、大混戦が予想される。
市長選と合わせ、市議会議員(定数20、欠員1)の補欠選挙も行われる。9月1日現在、同市の有権者数(18歳以上)は2万9628人(男1万4131人、女1万5497人)。前回選の投票当日有権者3万1536人と比べ、1908人少ない。