味噌煮込みうどん屋始めませんか?? 名古屋めしでにぎわいを 市街地に出店計画  老舗店がレシピ伝授 12月20日まで開業希望者募集

▲ 開業希望者を募集している市原さん㊧と藤田さん

 愛知県名古屋市のまちづくり会社㈱ナゴノダナバンク(市原正人、藤田まや両代表取締役)は、陸前高田市高田町の中心市街地に構える計画の名古屋名物「味噌煮込みうどん」専門店の開業希望者を募集している。経験不問で、3カ月間のお試し期間は賃料無料。名古屋の老舗店がレシピを伝授する。両市の市民同士の交流を起点に動き出したにぎわい創出への新プロジェクトで、年度内の営業開始を目指す。募集は12月20日(火)まで。(高橋 信)

 

3カ月のお試し期間は賃料無料

 

手打ち体験で指導した青木常務取締役㊨

 募集定員は1事業者。ナゴノダナバンクが木造平屋、約20平方㍍の店舗を整備し、設備や厨房機器も用意する。申し込みのあった人の中から事業者を選考する。
 うどんの作り方などの指導は、大正時代から続く老舗店の「山本屋大久手」が担う。3カ月間、試験的に営業し、継続して営業できる見込みがあれば、同店とフランチャイズ契約を結ぶ仕組み。その後は賃料月額11万円(応相談)を徴収する。店のブランド名や経営ノウハウを生かしつつ、地場産品を活用し「陸前高田ならではの店」確立を目指す。
 今月22、23の両日、高田町のアバッセたかた駐車場などで開かれた市産業まつりに名古屋市ブースが開設され、名古屋めしを販売したほか、味噌煮込みうどん用の麺の手打ち体験会が行われた。
 体験会は、山本屋大久手の青木晃佑常務取締役(30)が指導。体験した大船渡市立根町の小野利枝さん(55)は約30年間、名古屋に住んでいたといい、「山本屋の味を提供する店が陸前高田にできるかもしれないなんて夢のよう。名古屋めしファンとしてぜひ実現してほしい」と期待を寄せた。
 青木常務取締役は「陸前高田で地域の皆さんと触れ合い、毎回元気をもらっている。市外から人を呼び込めるような店ができるよう協力したい」と意欲を語る。
 東日本大震災を機に、友好都市協定を結ぶ陸前高田と名古屋の両市。ナゴノダナバンクは令和2年度、名古屋市が派遣した市民交流団として陸前高田市を訪れ、市内商業者との交流が生まれた。
 昨年度は、同市のまちづくり会社・陸前高田ほんまる㈱(磐井正篤社長)と連携し、市中心部を流れる川原川周辺のにぎわい創出を図るイベントや、市内飲食店が「鉄板ナポリタン」「味噌カツ」など名古屋めしを提供する食べ歩きイベントを開催した。

出店申し込み用のQRコード

 市原代表取締役(60)は「2年前、『陸前高田にお店をつくる』という構想から始まった企画。まだどうなるか分からない挑戦の段階だが、なんとか形にしたい。事業を楽しんで主体的に手掛けられるような意欲のある人の申し込みをお待ちしている」と呼びかける。
 問い合わせは、ナゴノダナバンク(℡052・526・5893)、または陸前高田ほんまる(℡080・2842・0209)へ。