依然続く〝ダブルパンチ〟 事業所アンケート コロナと物価影響浮き彫り
令和4年11月9日付 1面

大船渡市と大船渡商工会議所が商議所会員事業所を対象に9~10月にかけて実施したアンケート調査で、新型コロナウイルスに関して「マイナスの影響が継続し、売り上げが減少している」と答えた割合が49・2%となった。前回より2・1ポイント減少したが、ウクライナ情勢などで「影響を受けている」と答えた割合は69・3%と、逆に10ポイント上昇。原材料・仕入れ価格の上昇や燃料価格、電気料金上昇に伴う利益圧迫の影響が日増しに高まる。今回の調査においても、〝ダブルパンチ〟の厳しさが浮き彫りとなった。(佐藤 壮)
この調査は、新型ウイルスの影響把握に向けて、令和2年度から定期的に実施。通算10回目で、約319事業所(回収率20%)が回答した。
新型ウイルスの影響に関しては、経営面で「マイナスの影響が継続している」と回答したのは49・2%。前回の51・3%、前々回の57・4%を下回ったが、飲食業だけを見ると73・9%と高く、小売業も68・5%となっている。
「影響が今後生じる可能性がある」は14・1%で、前回比で2ポイント減。「マイナスの影響が出たが、すでに収束した」は13・5%で、前回の8・1%、前々回の5・7%から上昇した。
マイナス影響が続く事業者に対し、コロナ禍前の令和元年9月を基準とした売り上げの減少割合も質問。「50%以上減」が最多の31・2%となり、「30%以上減」は22・3%、「20%以上減」は16・6%だった。
今年12月までの売り上げ見通しは、48・9%が「減少する」と回答。「不変」は38・2%、「増加する」は11・6%だった。
必要とされる支援策の設問は、三つまで回答。これまでと同様に「売り上げ減少事業者への補助金・給付金」が最多で50・5%。次に多かったのは「支援策に関する情報提供」で30・7%、「商品券事業などの消費喚起支援」は29・2%だった。
前回に続き「ウクライナ情勢の緊迫化などによる原油価格や物価高騰、円安の進行などに伴い、経営にマイナスの影響を受けているか」との設問を設けた。「影響を受けている」と答えたのは69・3%に上り、前回比で10ポイント増加した。
主要業種別に見ると▽建設業80・4%▽食料品製造業94・4%▽その他の製造業83・3%▽卸売業100%▽小売業69・2%▽運輸業77・8%▽宿泊業66・6%▽飲食業74・0%▽その他のサービス業50・9%▽医療・福祉62・5%▽農林漁業66・7%▽その他60・7%——となった。
一方で、「現時点で受けていないが、今後影響が見込まれる」は21・6%。「現時点で受けておらず、今後も影響はない」は7・5%だった。
「影響を受けている」「今後影響が見込まれる」の選択者には、具体的な内容を複数回答可で質問した。最も割合が高かったのは「原材料・仕入れ価格の上昇に伴う利益圧迫」で74・5%。「燃料価格の上昇に伴う利益圧迫」は70・7%、「電気料金の上昇に伴う利益圧迫」が62・1%だった。
業種別では、飲食業や食料品製造業、その他の製造業、小売業などを中心に原材料・仕入れ価格の影響が顕著だった。運輸業や農林漁業、建設業で燃料価格の影響を挙げる回答が多かった。
主な回答の割合は別掲。