東京タワーに復活のサンマ 有料提供も活気創出 大船渡市の団体が交流継承 経験豊富な焼き手が思い込め(別写真あり)
令和4年11月15日付 7面
オレンジ色の鉄塔下で、大船渡産サンマの炭火焼きが3年ぶりに復活した。東京都港区の東京タワーで13日、大船渡市のNPO法人絆プロジェクト三陸(佐藤健理事長)による「東京タワー・大船渡さんまDay」が開かれた。持続可能な運営を目指し、無料の振る舞いではなく、有料提供やクラウドファンディング協力者への返礼品としてサンマ999匹などを用意。経験豊富な焼き手たちが香ばしく焼き上げ、再会を喜ぶ交流の輪が広がった。(佐藤 壮)
東京タワー正面口付近では、令和元年までのさんままつりに携わってきた、市職員らによる経験豊富な「サンマレンジャー」らが準備に追われた。協賛した鎌田水産㈱の協力を受け、2日前に大船渡港に水揚げされたサンマを確保。例年に比べてやや小ぶりだが、脂乗りはよく、香ばしさにあふれた。
さんりく・大船渡ふるさと大使で、これまでも東京タワーでのイベントを盛り上げてきたアカペラユニット・XUXU(シュシュ)のメンバーが自主的に進行を引き受け、開会セレモニーを開催。佐藤理事長は「地元有志の『大船渡のサンマを届けたい』という思いを受け、主催を引き受けた。クラウドファンディングをはじめ、多くの方々の協力を得た」とあいさつした。
東京タワーの高さ333㍍にちなみ、炭火の焼き台3台で各333匹焼き上げた。有料販売はサンマ1匹700円、2匹1000円で提供。事前に募ったクラウドファンディングでは、目標50万円を上回る賛同が得られ、訪れた協力者に無料で振る舞った。
クラウドファンディングに賛同し、焼きサンマを受け取った埼玉県新座市の会社員・内村浩介さん(53)は「東日本大震災の翌年に、宮城や岩手の沿岸部を回って、支援物資を届けた。サンマはもちろん大好き。続いてほしい」と話した。
市関係者による「大船渡サンマレンジャー」らがこれまで焼き上げたサンマは5万匹以上に上るという。この日も熟練の技を生かし、香ばしく程よい塩加減でふっくらとした身を提供し、午前中は数十人規模の列が途絶えなかった。
市職員で、さんま焼き師の師範代にも認定されている高木隆幸さん(48)は「震災前の最初の開催から参加し、平成26年を除いて毎年来ていたので、思い入れは強い。人が集まるか不安だったが、これだけ集まってくれてうれしい。クラウドファンディングの協力もあったので、何とか来年につながる形になったのではないか」と話し、充実した笑顔を見せた。
会場では寄付協力者向けに、綾里・小石浜産の焼きホタテも提供。これまで復興支援活動を展開してきた学生団体「Toku」がサンマのつみれ汁を販売したほか、大船渡の物産品も並んだ。大船渡出身者や復興支援で市職員らと交流を深めた団体関係者の来訪もあり、交流の輪が広がった。
三陸・大船渡東京タワーさんままつりは、市長が実行委会長を務め、平成21年度から開催。昨年、一昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、今年も見送った。さらに、サンマ不漁の影響で確保も難しくなり、首都圏での知名度向上や水産振興に一定の成果を得たとして、今年8月の総会で実行委の解散も決めた。
こうした中、運営に参画してきた有志らが、これまでの交流を生かした継続を模索。今回は東日本大震災後、大阪でのサンマまつりなどで実績がある絆プロジェクト三陸が主催を担った。






