災害と福祉の関わり学ぶ 大船渡中3年生 インクルーシブ防災教育(別写真あり)
令和4年11月19日付 3面
大船渡市立大船渡中学校(須藤淳校長、生徒135人)で18日、共生型社会における災害時の対応を考える「インクルーシブ防災教育」が行われた。3年生58人が、さまざまな障害がある人たちとの対話を通じて、社会生活での接し方や避難所運営での受け入れについて考えを巡らせ、災害と福祉の関わりを考えるきっかけとした。(菅野弘大)
インクルーシブとは、人間の多様性を尊重し、障害者が自由な社会に効果的に参加できるようにするという目的のもと、障害のある人と障害のない人がともに学ぶ仕組みのこと。
全校で防災教育に力を入れて取り組んでいる同校では、障害がある人々が避難生活を送る際のニーズや支援方法を学ぶとともに、災害発生時だけでなく、日常的な関わり方も身につけようと、今回の防災教育を初めて企画。同校の防災教育に講師として協力している岩手大学地域防災研究センターの福留邦洋教授と、「障害者の災害リスク減少対策」などの地域福祉に詳しい早稲田大学人間科学学術院の古山周太郎准教授が中心となって実現した。
同日は、福留教授と古山准教授のほか、大阪府からNPO法人おおさか行動する障害者応援センターの福島義弘さん(車いす)、認定NPO法人ゆめ風基金の阿部俊介さん(車いす)、大船渡市の県視覚障害者福祉協会大船渡支部の山本寛孝さん(視覚障害)、NPO法人さんりく・こすもすの新沼節子理事長らが同校を訪問。生徒らは講話の聴講のほか、障害者にとって危険になり得る校内のバリアフリーチェック、災害発生時の避難所運営における障害者の受け入れを考える共生型避難所シミュレーションをそれぞれ学習、体験した。
このうち、グループごとに分かれて実施したバリアフリーチェックでは、何気なく置かれている備品や机などが、障害物になる可能性を確認。視覚障害の人がぶつかってしまったり、車いすで通行する際の妨げになってしまうことなどを学び、細かな配慮が必要であることを心にとどめた。
森悠斗君は「障害がある方の話を聞いて、困っている人に寄り添えるような行動をしたいと思った。そういった方を見かけた時には、積極的に声をかけ、安心して生活できるように手助けをしたい」と話していた。
山本さん(63)は「地方になると、どうしても障害がある人と接する機会が少ないので、こういった学習はとても有意義。障害者の存在を知ってもらったり、障害を理解するきっかけになってもらえれば」と期待を込めた。






