2022市長選/7日間の決戦きょう告示 投開票は27日 過去最多 新人5氏の争いへ

▲ 立候補の届け出を受け付ける市役所地階会議室

 任期満了に伴う大船渡市長選は、20日に告示される。過去最多となる新人5人の争いが確実で、現職は出馬せず、12年ぶりに新リーダーが誕生する。立候補の届け出手続き後、それぞれ事務所前や商業施設前で第一声を上げ、7日間の短期決戦に突入する。投票は27日(日)に行われ、即日開票される。(佐藤 壮)

 

 立候補を予定しているのは、表明順に、いずれも無所属・新人で、イベント企画業代表の鈴木茂行氏(53)=猪川町、元会社役員の村上守弘氏(63)=同、前市議会議長の渕上清氏(64)=盛町、元市議の佐藤寧氏(55)=立根町、NPO団体代表の鵜浦真紗子氏(67)=本名・昌子、大船渡町=の5人。3期12年務めた戸田公明氏(73)=猪川町=は、8月に勇退を表明した。
 12月2日(金)の任期満了に伴う市長選は、昭和27年の市制施行から数えると通算20回目。三陸町との合併後は6回目、東日本大震災後は3回目となる。
 平成以降は一騎打ちが多く、候補者数は昭和59年に行われた第10回の4人(現1、新3)が最多。5人となれば、史上初となる。
 立候補の届け出は、20日午前8時30分~午後5時に、市選挙管理委員会(市役所地階会議室)で対応。開始前に到着した候補者が複数となった場合は、抽選で受け付け順を決定する。受け付け開始時間経過後は、会場到着順に届け出となる。
 書類審査に続き、街頭演説用標旗、腕章など選挙の〝七つ道具〟と、明るい選挙のシンボル「白バラ」を交付。4年前の前回選とは異なり、演説会場などでの新型コロナウイルスの感染防止策徹底を口頭で促すことにしている。
 手続きが終了した陣営から選挙活動がスタートし、各候補の第一声が響き渡る。その後、市内各地に選挙カーが繰り出し、政策などを訴えながら支持を求める。
 多くの陣営では19日の段階で、候補者名の部分には幕をかけた状態で看板を設置。同じく遊説用の車両も待機するなど、7日間の選挙戦に向けた準備を整えた。
 ポスター掲示板も、市内190カ所の設置がすでに終了。届け出順確定直後から各陣営による張り出しが行われ、横長の木製板に5人の顔写真や訴えが並ぶ。
 投票は27日の午前7時~午後7時に、市内40カ所で受け付ける。開票は同8時15分から、盛町のリアスホールで行われる。
 期日前投票は同21日(月)~26日(土)に、市役所本庁、三陸支所、綾里、吉浜両地域振興出張所で対応する。時間は午前8時30分からで、市役所本庁が午後8時まで、そのほかは同5時15分まで開設する。本庁では同期間、不在者投票も受け付ける。
 市は今年、市制70年の節目を迎えた一方、震災復旧・復興事業の収束とともにコロナ禍となり、地域経済や住民生活、地域振興策など多方面で苦境が続いている。さらには、人口減少や少子高齢化、主力魚種の不漁など課題が山積し、持続可能なまちづくりや新たなビジネスチャンスを呼び込む活性化策も求められている。
 7日間の短期決戦では、各候補予定者が打ち出す具体的な政策の違いや、支持獲得に向けた訴えの手法も鍵に。幅広い世代が市政に関心を持ち、積極的な投票行動につながる論戦も期待される。
 今回は、市議会議員(定数20、欠員1)の補欠選挙も実施。新人で神職の宮﨑和貴氏(48)=末崎町=が出馬を表明している。
 9月1日現在、同市の有権者数(18歳以上)は2万9628人(男1万4131人、女1万5497人)。4年前の市長選投票当日有権者3万1536人と比べ、1908人少ない。前回選の投票率は73・91%だった。