2022市長選/立候補者の第一声(届け出順)

鈴木茂行候補(53)無・新
市民の感覚で変革を

 

 鈴木候補は、自身で立候補の手続きを済ませ、午前9時30分に猪川町の選挙事務所前で第一声を上げた。
 届け出順1番の鈴木候補は、集まった支持者ら約10人に向けて「幸運な出来事が最初から起こった」とし、これまでの政治活動などに触れたうえ、市長として実現したいことを説明。「女性が魅力を感じるまち」を目指し、消滅可能性都市からの脱却、人口増加による景気改善などにつなげることを訴えた。
 公約として挙げたのは、市長の給与20%削減や市議会議員の定数削減要請、子育て世代への経済支援など。市外からの多くの人を呼び寄せるためのテーマパークや商業施設の開設、防災機能を持ち、食品スーパーやカフェが入る「新しいスタイルの体育館」の必要性など具体例も示した。
 「今の政治にノーを突きつけているのは私だけ。市内にあふれる失望を安心、希望に変えるのが今回の選挙で、それをやれるのは私しかいない」と力説。
 SNSを通じて届いた「激励文」も紹介した鈴木候補は、「支持団体や支持母体はないが、多くの困っている人がいる。市民感覚で政治をこれから変革していかなければならない」と訴えた。

 

村上守弘候補(63)無・新
停滞させずに発展を

 

 村上候補は午前9時10分ごろ、事務所駐車場で第一声。会場には、支持者ら約120人が集まった。
 総括責任者の新沼賢氏は「大船渡を変えていきたいという候補の思いを、皆さんで後押ししよう」とあいさつ。選挙対策本部長の鈴木和明氏も、力添えを呼びかけた。
 村上候補は「この大船渡を停滞させずに発展させたい。消滅をさせたくない。その一心で立候補をした」とし、「責任世代として、これからの若者、子どもたちにしっかりと大船渡を発展させて引き継ぎたい」と決意を述べた。
 政策には、妊娠から出産後の支援を厚くする「子育て支援」と、大船渡港の活用、産業に付加価値を付けて利益や職種を増やす「地域経済の活性化」を挙げ、若者が帰ってくる地域づくりにも意欲を見せた。
 そして、「若い世代が将来に向けて夢を描ける、高齢者が安心して生活ができる、そして何よりも子どもたちが明るい未来を描ける、そんな大船渡にしていきたい。ともに、新しい風を大船渡に吹かせていこう」と力強く呼びかけた。

 最後に、支持者らと「ガンバロー」を三唱。遊説へと出発した。

 

渕上 清候補(64)無・新
県随一の沿岸都市に


 渕上候補は、盛町の選挙事務所で神事を行い、木町市場で住民らと会話を交わし歩きサン・リア前に移動。第一声には、約300人の支持者が集まった。
 総括責任者の甘竹勝郎氏は「市議会議員、議長を経験し、市長としてこれ以上の適材の人間はほかにいない。当選にはみんなの声が必要。さらなる支援の輪を広げて」と呼びかけ、「トップリーダー渕上」と繰り返し鼓舞。市議会の森操議員と渡辺徹議員もマイクを握り、鈴木俊一財務相(衆院岩手2区)からの応援メッセージも紹介された。
 渕上候補は「次の世代に残し、引き継ぐまちをつくりたいと意を決した。大船渡をほかに負けない『岩手随一の沿岸都市』にしたい」と自身の思いを響かせた。
 市議や消防団、青年会議所などの経験で生まれた人とのつながりを強調。「総力あげて活気倍増」のスローガンのもと、内陸に直結する高規格道路整備、保育料無償化、高齢者の移動手段確保、防災、経済面の強化を重点に挙げ、「総力の源は皆さま一人一人。この大船渡をもっと元気のあるまちにしていこう」と訴え、ガンバロー三唱で選挙戦を戦い抜く気概を示した。

 

鵜浦昌子候補(67)無・新
笑顔あふれるまちに


 鵜浦候補は大船渡町の事務所前で、大船渡市初の女性の市長誕生を願う支持者ら約100人に向けて第一声。「笑顔であふれる大船渡にしよう」と訴えた。
 はじめに総括責任者の今野雄吾氏が「必ず鵜浦市政を誕生させよう」と呼びかけた。
 鵜浦候補は10月下旬に立候補を決意した経緯を振り返り、「戦闘態勢になってまだ1カ月。後援会をはじめ皆さんの支援がなければ、きょうこの場に立つことすらできなかった」と周囲に感謝。現市政を継承する姿勢もアピールした。
 「市政の基本は家庭から。市民一人一人が愛する大船渡を変えていくという意識がなければ」と協働のまちづくりの重要性にも言及。
 パラダイムシフト、パッション、パートナーシップからなる自身の公約「三つのP」について「4年間の信条とする」と強調し、陣営幹部とともに「パッション」と声を合わせて演説を締めた。
 鵜浦候補を推薦する連合岩手の佐々木秀市会長、支持する市議会会派・新政同友会(5議員)の今野善信会長もマイクを握った。結びにガンバロー三唱で必勝を期し、にこやかな表情で遊説に繰り出した。

 

佐藤 寧候補(55)無・新
農林水産業の振興を


 佐藤候補は約170人の支持者を前に、大船渡町の事務所前で第一声。
 総括責任者の鎌田仁氏、出納責任者の新沼湧一氏がそれぞれ支持を呼びかけたあと、応援に駆けつけた藤原崇衆議院議員(岩手3区)、広瀬めぐみ参議院議員(岩手選挙区)、佐々木茂光県議会議員(陸前高田選挙区)が支持拡大を訴え、鈴木俊一財務相(衆院岩手2区)からの応援メッセージも紹介された。
 このあとマイクを握った佐藤候補は、公約に掲げる給食費無料の実現を強調。大船渡が誇る水産や農業、林業、畜産の生産物を挙げ「これを全世界、全国に売っていき、所得向上を図っていきたい」と、トップセールスによる振興とそれに伴う財源確保に意欲をみせた。

 ふるさと納税の増額、医療福祉の充実、国家プロジェクトやILCの誘致、国道の抜本改良などにも取り組んでいく決意を示し、「働く世代に豊かさを、お子さんに輝かしい未来を、お年寄りの皆さんに安心した生活を」「火の玉となって、大船渡市の舵取りを皆さんとともに担っていきたい」と声を張り上げた。その後はガンバロー三唱で気勢を上げ、遊説へと向かった。