肥料費支援の概要示す JAおおふなと 国の対策事業受け説明会

▲ 肥料価格高騰対策事業の申請方法などを説明=大船渡市

 大船渡市農業協同組合(JAおおふなと、猪股岩夫組合長)による「肥料価格高騰対策事業説明会」は21、22の両日、気仙3市町で開かれた。県とJAの担当者らが国による同事業の概要や申請方法などを説明し、農産物を販売する農業者らに利用を呼びかけた。
 近年、世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受け、化学肥料原料の国際価格が大幅に上昇。肥料価格が急騰し、農家経営を圧迫している。
 そこで国は、肥料価格の高騰による農家経営への影響を緩和する対策事業を創設。農産物の販売を行う農業者を対象に、化学肥料2割低減の取り組みを実施したうえで、前年度から増加した肥料費の7割を支援金として交付する。気仙では、各市町の農業再生協議会が事業の取り組み実施者となっており、申請受け付けをJAが行う。
 説明会は、21日に陸前高田市、22日に大船渡市と住田町で開催。このうち、大船渡会場は大船渡町のJAおおふなと本店で行われ、JAや産直などに農産物を出荷、販売する農業者ら35人が参加した。
 JAおおふなとの柏﨑明彦常務理事があいさつを行ったあと、県肥料コスト低減推進協議会の事務局である県農林水産部農業普及技術課とJAおおふなとの担当者が、同事業の概要や申請方法などを紹介した。
 費用を支援するのは、今年6月から来年5月に購入した肥料(今年の秋肥と来年の春肥として使うもの)。例として、対象となる秋肥が100万円だった場合は、約14万円を交付する。
 化学肥料の2割低減に当たっては、▽土壌診断による施肥設計▽生育診断による施肥設計▽地域の低投入型の施肥設計の導入▽たい肥の利用──など、指定した15項目のメニューから二つ以上を実施するのが条件。以前から取り組むメニューを拡大・強化する場合も支援する。
 申請には、▽肥料価格高騰対策事業支援金申込書▽農業者自己確認シート▽化学肥料低減計画書▽注文票や領収証、請求書の写し▽農産物の販売実績が確認できる書類の写し──が必要。これらに加え、JAおおふなとでは「肥料価格高騰対策事業の申請にかかる承諾書」の提出も求める。
 説明会では、これら書類の記載方法なども詳しく説明。県側は、「令和5、6年には、実際に低減に向けた取り組みを行ったかを確認する。実績書類として、診断書や写真などを添付する必要があるので、注意してほしい」と呼びかけた。
 参加者らは、質問も交えながら熱心に耳を傾け、申請方法などに理解を深めていた。
 申請のうち、早期に秋肥分の支援金の交付を希望する場合は、今月30日(水)午前9時~午後4時に猪川町のJA大船渡購買センターで受け付ける。秋肥・春肥の一括申請は、来年1月4日(水)~6日(金)に各市町の特設会場で対応する。
 問い合わせは、JAおおふなとの経済部経済課(℡26・4044)、または営農部営農企画課(℡22・7520)まで。
 一括申請の日程は次の通り。時間はいずれも午前9時~午後4時。
 ▽1月4日=陸前高田市・総合営農指導センター▽同5日=大船渡市・JA本店3階会議室▽同6日=住田町役場町民ホール