気仙で新たなステップ 一関学院高の小野寺さん ダンス教室の講師務める(別写真あり)
令和4年11月25日付 6面

母の実家が大船渡市にある一関市の高校生ダンサー・小野寺永愛さん(一関学院高1年)は23日まで、陸前高田市体育協会(金野廣悦会長)主催のキッズダンス教室で講師を務めた。「気仙沿岸でスクールを開き、ダンス文化を盛り上げたい」という小野寺さんが、夢への新たなステップを踏んだ。(阿部仁志)
お披露目会で練習の成果を発揮する参加者
初心者の小学生を対象にしたキッズダンス教室は、9月から計10回、高田町の夢アリーナたかたで行われ、5人が参加。最終日は「お披露目会」が行われ、保護者らが見守る中、小野寺さんから習った約4分間のヒップホップダンスを踊りきった。
広田小4年の谷水桜季さんは「みんなで踊ることができて楽しかった。またダンスがしたい」と笑顔。
小野寺さんは「無事にこの日を迎えられてほっとした。子どもたちがレッスンを重ねるたびにうまくなっていくのを感じた」と〝まな弟子〟たちの成長を喜んだ。
小野寺さんは、5歳のときにダンスに憧れて県内外のスクールに通い始め、現在もブレイクダンスを専門に修業を重ねている。
大船渡市のアーティスト・LAWBLOW(ローブロー)が運営するオフィス「LAWz(ローズ)」に所属し、2人組ダンスガールズユニット「2WING」やソロで活動。
東北各地で行われるダンスバトルに出場し、優勝や準優勝など多くの上位成績を収めている。同市大船渡町のライブハウス・KESEN ROCK FREAKSでは、パフォーマンスを披露し、インストラクターとしてダンス指導を行う場面もある。
各地を回る中で小野寺さんは「ほかの地域と比べ、岩手、特にも沿岸はダンス文化があまり浸透していない」と感じた。ダンス普及に貢献したい思いは強く、幼いころから何度も母の実家を訪れていた縁もあり、気仙地域でのスクール開設を夢見るようになった。
この中、本年度からキッズダンス教室事業を始めた陸前高田市体協とマッチング。小野寺さんの活動を応援するローブローの後押しもあり、教室の講師を任せられた。
定期開催される教室で講師を務めたのは初めて。「人見知りな自分を変えるきっかけをくれて、大好きになったダンスの魅力を多くの人に伝えたい」と、一日一日の教室に真剣に向き合った。
今後も、同体協主催のダンス教室で講師を務める予定。これとは別に、ローズが運営し、小野寺さんが指導するダンススクールを同市でスタートさせる準備も進んでいるという。
小野寺さんは「皆さんの力を借りながらこれからも頑張りたい。ダンスの楽しさを多くの人に伝えていきたい」と意気込んでいた。