世界平和広める姿勢評価 学生団体の「peace&voice」がいわてユネスコ賞を受賞 大船渡高生徒を中心に構成(別写真あり)

▲ 学生団体「peace&voice」がいわてユネスコ賞の活動奨励賞に選ばれた

 戦争の記憶を後世に語り継ごうと、県立大船渡高校の生徒らを中心に構成する学生団体「peace&voice」(小林友香代表)が、本年度の「第27回いわてユネスコ賞」の活動奨励賞を受賞した。25日に同校で表彰状伝達式が行われ、出席した団体メンバーが表彰を糧に、世界平和の実現に向けてさらなる活動の充実を誓った。(菅野弘大)

 

 いわてユネスコ賞は、県ユネスコ連絡協議会(三田地宣子会長)が、教育や科学、文化の発展を目指すユネスコの目的に沿い、他の模範となるような特別活動を行っている県内の児童・生徒、教育関係者らをたたえるものとして、平成8年度から実施。本年度は、文化賞3団体、活動奨励賞3団体、教育賞1団体が選ばれた。
 「peace&voice」は、小学生のころに曽祖母から戦争の体験談を聞き「世界から戦争をなくしたい」との思いを抱いてきた小林代表(大船渡高3年)が、戦争経験者の声と自分たちの声をつなぎ、未来に戦争の経験、記憶を語り継ぐことで世界平和の実現に貢献しようと、昨年9月に設立。現在は、大船渡高生と県外メンバーの計19人で活動しており、地元の戦争経験者をはじめ、国内外の関係者と対談の機会を設け、学校の授業では知り得ない〝生の声〟から戦争について深く学んでいるほか、月1回の定例会議での情報共有やSNSでの活動発信などにも幅広く取り組み、悲惨な戦争を二度と繰り返さず、国内外に平和の大切さを伝える姿勢が高く評価された。
 同日は、同協議会の遠藤洋一副会長や大船渡ユネスコ協会の山口康文会長らが来校。同校の団体メンバー14人も出席し、遠藤副会長が小林代表と小西大稀君(3年)に表彰状と記念の盾を授与した。
 遠藤副会長は、ユネスコの活動理念などにも触れながら、「素晴らしい活動だ」とたたえた。同校の同窓会長も務める山口会長は「立派な後輩たちだ。こうした活動を社会に出ても生かしてほしい」と期待を寄せた。
 小林代表は「設立から1年2カ月余りで、このような素晴らしい賞をいただくことができてうれしいし、驚いている。受賞は、一緒に活動してくれる団体のメンバーと、戦争というつらい経験を、勇気を持って話してくださった経験者の方々のおかげ。この賞を活動の証しとして大切にしながら、平和に向けて今後も取り組みを続けていきたい」と力を込めた。