地場産業と子育て充実を 政策の優 先順位も 渕上清新市長に聞く
令和4年12月4日付 1面
11月27日投開票の大船渡市長選で初当選を飾った渕上清氏(64)が、3日から1期目の任期に入った。同市で新市長が誕生するのは、東日本大震災前の平成22年以来12年ぶり。過去最多の5人よる大混戦を抜け出した選挙戦への所感や、4年間の市政を担う新リーダーとしての抱負を聞いた。(佐藤 壮)
──大混戦を抜け出した実感は。
渕上 後援会の方々に訴えを広げていただいた。課題も多く、これからいよいよ解決に向けて進まなければいけないという思い。
──思い描いていた選挙戦はできたか。
渕上 支部づくりから始まった。考え方を同じくする仲間が増えてきたことは、日増しに実感できた。
──表明後に「総力あげて活力倍増」というスローガンを掲げ、告示が近づくと「岩手随一の沿岸都市」を訴えた。
渕上 1カ月前くらいから、明確に目指すものをスローガンにしてはどうかという動きから考えた。古い言葉の使い方のようなイメージがあるかもしれないが、それが逆にインパクトにつながったのではないか。決して、他の沿岸市に対するものだったり、都市間競争ではない。活気があるまちをつくることで、全体が盛り上がっていくという考え。そのけん引役になっていきたい。
──以前から「選挙はまちを良くする運動」と語ってきた。
渕上 語る会や個人演説会をやれたという意味で実感はあるが、これからではないか。他候補と訴えに共通する部分があった。取り入れるものは取り入れ、政策に結びつけたい。
得票割合では過半数ではないが、批判が多かったということではなかったと思う。対立軸があった選挙ではなかった。どの候補も、いろいろな活動をともにしてきた人たち。組める部分は組み、さまざまな人との対話機会を設けたい。
──過去2番目の低さに終わった投票率はどうとらえているか。コロナ禍での選挙戦の難しさは。
渕上 もう少し、上がってほしかったし、上げるべきだった。5人が立候補したので、もう少し注目度が上がり、投票率につながってほしいとは思った。
人を集められない点には苦慮した。コロナがまん延傾向にあった中、総決起大会を見送ったのは正しい判断だったと思う。逆に今回は、リーフレットやチラシでの訴えに力を入れた。
──今後は政策の実行力が問われる。
渕上 4年任期の中、重点的にやることの優先順位は決めなければならない。一つは、地場産業振興と子育て支援。県立大船渡病院の周産期医療を核とした産前産後のケアや、子育て支援という部分は、まだまだやれるし、実際に機能させたい。それによって、若い世代も市政への関心が高まるのではないか。民間の力も、積極的に生かしていきたい。
内陸部を結ぶ高規格道路の実現に向け、何らかの道筋は立てたい。気仙3市町はもちろん、内陸市とも連携が重要。
高齢者の移動手段確保は切実。充実は社会参画や健康づくりにもつながる。
──支援市議が3人と少なかった要因には、昨年2月に市議会議長・議員を辞職した際に、議会で説明がなかった面も要因ではないか。議会との関係構築は。
渕上 議会向けの説明は確かになく、反省している。申し訳なかったと思う。これからは、支持、不支持を問わず、会派や議員と対話を重ねて、取り入れるものは取り入れる。時間はかかるかもしれないが、進めていきたい。
──どのように自分の色を出していくか。
渕上 「私が」というよりは、みんなで総力をあげてやる。そこは、選挙戦の街頭活動でも強調してきた。私は議会で議決をしてきた立場なので、これまでの市政を批判する立ち位置ではない。震災後の投資を無駄にすることなく、変えるところは変え、進化させていきたい。
──政党とのかかわり方は。
渕上 基本は「市民党」でいきたい。総力をあげて取り組むことが大事であり、支持者の間でもさまざまなチャンネルがある。適時適切に組めるところは組み、どんどん引き出しを持って政策の具現化に結びつけたい。
──副市長の考え方は。
渕上 本格的にはこれから考えるが、複数の形も検討したい。






