渕上新市政がスタート 市民、職員の出迎え受け初登庁(別写真あり)

▲ 職員らの出迎えを受けながら、贈られた花束を手に初登庁する渕上新市長

 11月27日投開票の大船渡市長選で初当選を飾り、今月3日から4年間の新任期に入った渕上清新市長(64)が5日、市役所に初登庁した。職員のほか、選挙戦を支えた市民らが出迎えた。今後、新年度の予算編成が本格化する中、渕上市長は地場産業振興や子育て支援、若い世代の住環境確保などの充実に意欲を示した。(佐藤 壮)


 初登庁に合わせ、市役所駐車場では職員や支持者らが出迎えた。花束を受け取った渕上市長は市長室に入って執務机につき、「多くの職員の出迎えを受け、責任の重さとこれから一緒に仕事をする楽しみがある。積極的に市民と対話を続け、一つでも多くの施策実現へまい進したい」などと語った。
 午前9時からの三役会議、同30分の初庁議を終え、同10時30分からは職員約100人を前に就任あいさつを行った。
 東日本大震災以降の復旧・復興事業でまちの基盤がつくられた足跡に触れ「努力によって築かれた大船渡を、よりよいものにしたい」と抱負。子育て支援施策に関しては「メニューはそろっている。これをもっと、よりよいもの、必要とされるものにバージョンアップを。こまめに変えるということも必要」と語った。
 選挙戦での訴えも振り返り「経済、産業の振興が第一。稼ぐ行政を目指す」と強調。県立大船渡病院の周産期母子医療センターを生かした産前産後のケア充実も掲げて「『子どもを産むなら大船渡』『子育てをするなら大船渡』と言われるくらい、環境整備を進めたい」と語った。
 防災面では、地震・津波だけでなく、大雨、豪雨災害対応に言及し、避難所整備などを重視。そのうえで「選択と集中を進め、10年後、20年後のあるべき姿に向けて施策を展開する。最大、最強の頭脳集団である市職員の皆さんと対話をしていく。新しい発想をどんどん取り入れてほしい。積極的な発言、提言を」と呼びかけた。
 引き続き、初の記者会見に臨んだ。今後本格化する令和5年度予算の編成姿勢について問われると、地場産業振興や子育て支援、若い世代向けの住環境整備を挙げ「まだ庁内での協議は行っていないが、ここは手をかけていきたい」と述べた。
 吉浜地区の市有地で民間事業者が計画している太陽光発電事業に関しては「私は選挙中も『白紙』として、吉浜のまちをどうしていくかから話し合いをすべきと訴えてきた。自然は一朝一夕にはできないものであり、残して、どう生かすかは吉浜の大きな課題。地域が望むのであれば、私は直接対話も辞さないと考えている」と発言。また、副市長、教育長の特別職は当面、現行体制とする考えも示した。