公民館の地域づくり学ぶ 市内関係者らの情報交換も 市民活動支援セが初の「交流会」を開催

▲ 市内のまちづくり関係者らが参加し、事例を学んだ交流会

 大船渡市市民活動支援センター(木下雄太センター長)による「同センター交流会」は6日、大船渡町のおおふなぽーとで開かれた。市内のまちづくり関係者らが情報交換をする機会にと初めて開催したもので、今回は宮城県白石市の斎川公民館を管理、運営する斎川まちづくり協議会の佐藤幸枝事務長を講師に招き、同公民館における地域づくりの事例を学習。参加者らは意見交換も行い、それぞれが抱える地域の課題やその解決に向けたアイデアなどを共有し、今後の取り組みの参考とした。(三浦佳恵)

 

 市内では、各地区でまちづくりの勉強会などが開かれ、さまざまな動きが始まっている。一方、地域の担い手不足や会員減少による団体の存続危機などの課題も起きている。
 交流会は、市内でまちづくりに取り組む関係者らを対象に、大船渡と同様の課題を抱えながらも解決に向かって歩む先進地区の事例を学んでもらい、情報交換する場にしようと企画。この日は、市内の地区や地域公民館関係者、市の集落支援員ら約30人が参加した。
 前半は、佐藤事務長が「公民館を核とした斎川の地域づくり」と題して講演。地域の小・中学校閉校を契機に、住民が主体となって持続可能なまちづくりを進める斎川地区の取り組みを紹介した。
 同協議会では、中学生以上の全住民を対象にアンケートを実施。85・5%の回答があり、▽女性や若者の声を反映させる場▽移動手段の確保▽地域への誇り・愛着を持ち、希望が見いだせる地域づくり──などの課題が浮かび上がったという。
 こうした諸課題の解決に向け、中学生~29歳を対象とした「若者会議」や、30~49歳向けの「中堅世代会議」を設置。若者の得意分野を地域活動に生かし、役職の統合、行事の掛け合わせなどにつながったとした。
 また、高齢者の移動手段確保に向けた移送支援実験、公民館講座をきっかけにした住民の地域課題解決活動なども展開。幅広い世代の地域住民が、さまざまな立場からまちづくりに関わっていることを示した。
 佐藤事務長は最後に、「これからも、行政、事業者、住民がそれぞれ対等な立場で協力し、丁寧な話し合いを重ねて公民館を核とした地域づくりを行っていく。自分たちで解決ができないときには専門家にも入ってもらい、誰もが安心できるまちづくりに取り組んでいきたい」と結んだ。
 参加者らは、「目の覚めるようなアイデアの連続で、非常にためになった」「話を聞いて感激した」などと感想を交えながら、まちづくりを学んだ場や地域運営にかかる資金確保の方法などを質問。佐藤事務長は丁寧に答えるとともに、地域の担い手となる若い人材を育成していく必要性も強調した。
 後半は講演内容を踏まえ、参加者らがグループごとに意見を交換。まちづくりに関わる者同士の交流も深め合った。
 同センターでは今後も、こうした交流会を継続していくとしている。