サンマ水揚げ 前年超えも後半伸び悩む 大船渡は28%増の3054㌧ 11月末現在の全さんま集計
令和4年12月8日付 1面

全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、令和3年・4年の対比サンマ水揚げ状況をまとめた。11月30日現在、大船渡市魚市場への数量は前年同期比28%増の3054㌧で、金額は同20%増の19億8554万円。数量、金額とも全国2位を堅持しているが、11月だけを見ると前年を下回り、厳しい実績に。三陸沖の魚場形成がなく、公海での操業が中心となる中、しけ模様が続き、地元大型船は11月中に今季の漁を切り上げた。(佐藤 壮)
本州トップの実績堅持
全さんまによると、同日現在の全国数量は、前年同期比で30㌧少ない1万7869㌧と微減に。金額は103億273万円で、前年よりも8億6599万円(8%)下回った。過去最低に終わった昨年以下の実績で推移している。
数量の内訳を見ると、北海道分が1万794㌧で、1051㌧(9%)の減。本州合計は7075㌧となり、1021㌧(17%)上回った。
水揚げ地別で最も多いのは北海道・花咲港で9543㌧。次いで大船渡港の3054㌧で、宮城県・気仙沼港の2262㌧、同・女川港の1292㌧、北海道・厚岸港の1227㌧となっている。
全さんまの大石浩平専務理事は「11月に入り、オホーツク海などで数量が伸びたが、公海ではなかなか難しかったようだ。昨年に続き、三陸沖には漁場が形成されず、中旬から後半はしけの影響で操業できない状況もあった」と語る。
岩手県内の数量3421㌧(前年比659㌧増)のうち、大船渡が約9割を占める。今季の初水揚げは8月27日。8月中も水揚げが続いたほか、9月中旬も大型船が相次いで接岸し、10月は中旬以降にまとまった数量が続いた。
全国的な不漁に伴う高値傾向を反映して1㌔平均単価も700円前後で推移。1日で水揚げ金額が1億円を超える日もあり、10月までの実績は前年比で約2倍となっていた。
11月は7~11日に100㌧超えが相次いだが、以降はまとまった水揚げがなく推移。22日に13隻で計約210㌧の水揚げがあったのを最後に100㌧超はなく、28日以降は漁を切り上げた大型船が並び、集魚灯の取り外し作業などが行われた。
大船渡における昨年の累計数量は一昨年同期比60%減の2471㌧と、平成以降で最低実績に。金額は同39%減の17億829万円で、単価上昇があったものの数量大幅減の影響を補えなかった。
今季は前年実績をすでに上回ったが、11月だけの数量を見ると1290㌧にとどまり、217㌧(14%)少ない。年間累計で6000㌧台だった令和元年、同2年のペースを大きく下回るほか、1万㌧を超えていた平成30年以前の状況にもほど遠い。
苦境が続く一方、数量・金額とも前年比20%規模で伸びたのは、大船渡だけ。昨年、本州の水揚げに占める大船渡の数量割合は39%だったが、今年は43%にまで上昇した。主漁場が公海に離れ、全国的に落ち込んでいる中、地元船寄港や水産加工業の踏ん張りで「さんまのまち」を堅持している奮闘ぶりも浮かび上がる。