SNS活用の一歩目に 大船渡商議所 「気仙丸で遊ぼう」優秀作表彰

▲ 若林さんの作品
▲ 岩沼さんの作品

表彰を受けた若林さん㊧と岩沼さん

 大船渡商工会議所(米谷春夫会頭)が10月に実施した「気仙丸で遊ぼうコンテスト」の優秀作品をたたえる表彰式が7日、同会議所で開かれた。気仙丸と家族・友人らが入った画像を、SNSの「インスタグラム」に投稿する初の試み。同商議所は今後も、陸上移設完了から1年が経過した気仙丸の魅力発信に力を入れる。
 5作品のエントリーがあり、いずれも大船渡市在住の若林美加子さんと岩沼千央さんを表彰。齊藤光夫専務理事が、記念品として5000円分の地域商品券を贈った。
 このコンテストは、SNSを活用した気仙丸に関する参加型の情報発信を展開することで、周知を図ろうと企画。インスタグラムで、気仙丸を背景・素材とした記念写真や合成画像にハッシュタグ「気仙丸で遊ぼう」と付け、投稿を促した。
 気仙丸は、江戸時代に気仙と江戸、九州地方の交易に活躍したとされる千石船の歴史を伝える。長さは18㍍、幅5・75㍍、高さ5㍍。帆柱の高さは17㍍。気仙船匠会のメンバーらの手で建造が進められ、平成3年に完成した。震災時に流失や大規模損壊を免れ「奇跡の船」としても知られるが、老朽化が進んでいた。
 長寿命化の塗装や修繕を経て、気仙大工の技術や歴史継承を見据えた陸上展示が始まったのは昨年10月。以降、船内に入る機会は一部の関係者に限られていた。
 気仙丸を所有する商議所が立ち上げた木造復元船「気仙丸」利活用推進協議会(会長・米谷会頭)は今年10月8、9日に「ふれあい展示会」を開催し、船内見学などを受け入れた。優秀作品の2人は、この展示会を訪れ、コンテストを知ったという。
 陸上展示の有効活用に向け、本年度は気仙丸に関するポストカードなども作成。一方、今回のコンテスト作品の多くは、海などの画像を組み合わせて〝航海〟するデザインが目立ち、デジタル技術を生かした戦略も今後の鍵となる。会議所では「今後も、SNSを使った周知などを考えていきたい」としている。