インバウンドに意識を 大船渡市と住田町連携事業 有識者招きセミナー開催

▲ 幅広い観点から活性化へのヒントが紹介されたセミナー

 定住自立圏形成協定を結ぶ大船渡市と住田町の連携事業の一環で、訪日外国人観光のインバウンド対策と実例を学ぶセミナーが7日、大船渡町のおおふなぽーとで開かれた。県内外の取り組みや現状課題などが示され、参加者は、外国人観光客受け入れに向けた視点や、今後の可能性などについて学んだ。
 このセミナーは、両市町の連携事業による外国人観光客受入体制整備業務を受託している㈱インアウトバウンド仙台・松島=宮城県仙台市=が主催。大船渡・住田定住自立圏共生ビジョンに基づき、外国人受入体制の充実に向けてより多くの事業者の機運醸成に努めようと企画した。
 事業所間や地域の連携促進によるまちづくり事業などを見据えた一般社団法人大船渡地域戦略=大船渡市=が協賛。市内の事業所関係者ら約30人が出席した。
 第1部は、一般社団法人東北観光推進機構の紺野純一理事長が「東北インバウンド観光の現在地とこれから進む方向」と題して講演。宿泊や旅客輸送のみならず、農業や漁業分野も参画する可能性などに触れながら説明した。
 東北は気候や自然、文化、食いずれの分野でも外国人が訪れる魅力があり、三陸沿岸におけるみちのく潮風トレイルの可能性を伝えた一方、一つの自治体のみで取り組むことの限界も指摘。他の観光地との連携や、きめ細かい情報発信などを強調した。
 引き続き、釜石市生まれで淑徳大学経営学部観光経営学科の千葉千枝子学部長・教授が「類似自治体におけるインバウンド観光の事例とポイント」を解説。「ポストコロナにおけるインバウンド政策は、量ではなく質に移行している」と述べたほか、インバウンドは交流人口拡大につながる一方、都市間競争も激化している現状も挙げた。
 近年は、レンタカーで訪れる海外観光客が増えているとし、仙台空港からの往来を想定した「飛び地連携」の考え方を紹介。旅行体験では、時代を問わず料理教室が人気を集める傾向も紹介した。
 第2部は両氏に加え、釜石市で体験観光やふるさと納税事業などを展開する㈱かまいしDMCの河東英宜代表取締役が並んだパネルディスカッションが行われた。教育旅行や、消費データなどを活用した戦略づくりなどが話題となった。
 外国人観光客は少しずつ回復の動きを見せており、出席者は終始熱心な表情で聴講。地域資源や各種産業、文化などを生かした充実への意識を高めていた。