鳥インフル発生に備えて 初めて埋却作業を実践 住田と大船渡で2日間にわたり対応訓練(動画、別写真あり)
令和4年12月15日付 1面
県と関係機関が連携
県による令和4年度鳥インフルエンザ等発生時対応訓練は13、14の両日、住田町と大船渡市で行われた。管内の養鶏飼育農場で高病原性鳥インフルエンザを疑う事例が発生したと想定し、県と関係機関が連携して実働、机上の両訓練を展開。2日間の実施と初日の実動訓練は気仙で初の試みとなり、参加者らが防護服の着脱や殺処分した家禽の埋却作業を実践して対応の手順などを確認し、万一の事態に備えた。(三浦佳恵)

2日目は緊急連絡会議などの机上訓練を展開=大船渡市
県によると、今年2月1日現在、気仙3市町では46農場で212万羽余りのニワトリが飼育されており、県内でも有数の生産地として知られる。これまで、管内の養鶏施設で鳥インフルエンザが発生した事例はないが、県内では同月に久慈市内の養鶏農場で、5月には一関市内の家禽飼養施設で疑似患畜が確認され、防疫対応が取られた。先月には、気仙に近い宮城県気仙沼市内でも発生した。
県は、鳥インフルなどの発生に対し、被害を最小限に食い止められるよう、有事の際の行動手順確認や運用上の課題抽出と対応策を検討し、発生時の円滑な活動に役立てようと、毎年各種訓練を実施。全国的に鳥インフルの発生が多いことなどから、今年は2日間の日程を組み、初日は初の実動訓練を、2日目は緊急連絡会議などを開く机上訓練を企画した。
訓練は、「住田町で10万羽規模を手がける肉養鶏飼育農場の経営者から死亡鶏発生の通報を受けて、県県南家畜保健衛生所が簡易検査を実施したところ、陽性が確認された」との想定で実施。
このうち、13日の実動訓練は同町世田米子飼沢地内の県有地で行われ、県の各関係機関や一般社団法人建設業協会大船渡支部、住田町などから約80人が参加。県職員と同支部の関係者が、防護服の着脱と殺処分されたニワトリを埋却する作業の訓練に取り組んだ。
埋却作業では、重機で埋却溝(深さ2㍍、下幅6㍍、上幅8㍍、奥行き7㍍)を掘削。その上にブルーシートを敷き、重機で消毒用の消石灰、処分家禽の代わりに土を詰めた大型のバッグを投入。さらにシートをかぶせ、消毒と埋め戻しを実践した。
参加者らは作業を見学し、埋却の手順、ポイントを確認。防護服を脱ぐ訓練では、消毒を欠かさず、汚染部分に直接触れないように進める方法に理解を深めた。
同支部の須賀芳也支部長は、「国内では鳥インフルの発生が多く、支部独自でも対応マニュアルを作り、会員らに説明を行ったところ。その応用としての訓練にもなり、実際に見て緊張感を持ち、だいたいの流れを踏まえられたのではないか」と振り返った。
閉会行事では、県大船渡土木センター河川港湾課の柴田秀則課長、同衛生所の北川睦所長による講評後、同センターの野崎弥所長が「気仙での実動訓練は初めてとなったが、振り返りを行い、各職場で共有を図ってほしい。いざというときの準備と心構えを持つようお願いしたい」と参加者らに呼びかけた。
14日の机上訓練は、大船渡市猪川町の大船渡地区合同庁舎で実施。県や気仙3市町、関係機関などから延べ約50人が参加し、通報・連絡訓練、警戒地方支部の設置、緊急連絡会議、地方支部会議などを行った。
緊急連絡会議では、同衛生所が発生からの経緯、これまでに行った措置、今後の対応などを説明。防疫計画として、消毒ポイントの設置・運営、本庁や市町村への協力依頼などの10項目も示した。
続く地方支部会議では、合庁内の各センター長らが出席し、総務・調整、健康・環境など5班が現状等を報告。各班が運営上での問題点や疑問点、改善点などを話し合う班長等会議も開いた。
県大船渡地域振興センターの千田邦博管理主幹兼総務課長は、「鳥インフルは東北、気仙沼市でも発生している。防疫体制を速やかに整備し、感染拡大を食い止めていくことが必要。そのための準備に今後も継続して取り組んでいきたい」と話していた。






