大型物流拠点 滝の里団地に建設 アパレルメーカー㈱ボンマックス(東京) 衣料品の入出荷機能を三陸に集約 令和6年7月の本格稼働計画
令和4年12月17日付 7面
陸前高田市に関連会社を持つ総合ユニフォームアパレルメーカーの㈱ボンマックス(本社・東京都、外川雄一代表取締役社長)は、東日本大震災被災地の産業復興を加速させる国の補助金の採択、交付決定を受け、竹駒町の滝の里工業団地内に、衣料品を入出荷する大型物流拠点を建設する。中部地方にもある機能を同市をメインとする三陸地方に集約し、物流の効率化を図る。来年7月の着工、令和6年7月からの本格稼働を計画する。(高橋 信)
高田町の市役所で16日、施設建設に関する記者会見が行われ、外川代表取締役社長、竹駒町の㈱ボンマックスアパレルの小林厚仁代表取締役社長、市関係者が臨んだ。戸羽太市長は「物流機能を集約した拠点を作ってもらうこととなった。地域のために、市民のために活躍してもらえる企業としてさらに飛躍してもらいたい」と喜んだ。
(仮称)滝の里物流センターの建設予定地は、震災後整備された応急仮設住宅の跡地。敷地は9632平方㍍で、建物は鉄骨造2階建ての延べ床面積は約1万1000平方㍍。
総工費は約18億円。経産省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金」(津波立地補助金)として約5億6000万円が交付され、ほかに市からも最大3億円の補助を受ける見通し。
同社の物流拠点は現在、愛知県小牧市、宮城県気仙沼市各1施設、陸前高田市2施設の計4施設。新たに滝の里物流センターを整備し、物流機能を陸前高田、気仙沼両市の三陸に集約することで、業務の一元化やコスト削減を図る。
滝の里物流センターの保管可能数は約300万点で、年間約400万点の出荷、同約250万点の入荷を手掛ける構想。令和6年3月の完成後、試験操業し、小牧市の拠点にある商材を徐々に移しながら、同年7月に業務を本格化する。
稼働後、竹駒町内にある同社の既存物流拠点2施設は、滝の里物流センターを補完する倉庫として運用。同センターでは出荷前に商品をアイロンプレスする業務も展開する。従業員数は現在約30人だが、同センター完成後、新たに10人以上を雇用し、最終的には約50人体制を計画する。
滝の里団地にあった仮設住宅は、県内で最後となる昨年3月にすべての入居者の退去が完了し、解体・撤去後の跡地の利活用が課題となっていた。
同社は令和2年、津波立地補助金を活用した施設建設の検討を開始。昨年9月に同補助金の採択を、今年10月に交付決定を受けた。
外川代表取締役社長は「縫製技術、物流技術をより研ぎ澄ませ、見学の人が絶えなくなるようなアパレル、物流の総合拠点としたい。海外からも人を受け入れて、グローバルな拠点にもなればいい」と見据える。