渕上市長「柔軟な発想と勇気を」 冒頭に議員辞職の陳謝も 市議会12月定例会開会
令和4年12月17日付 1面
大船渡市議会12月定例会は16日に開会し、冒頭、渕上清市長の就任あいさつが行われた。昨年2月に議会議長・議員を辞任した際に議会説明がなかったことへの「おわび」から始めたほか、市長選で掲げた将来像実現への意欲を示し、「柔軟な発想と勇気を持って施策を展開し、市民の負託に応えたい」などと語った。21日(水)から3日間行われる一般質問では、多くの議員が新市長の政治姿勢などを追及する予定で、論戦の行方が注目される。(佐藤 壮)
一般質問は政治姿勢論戦へ
この日は議員20人全員が出席。先月の市議会議員補欠選挙で初当選を飾った宮﨑和貴議員も臨んだ。
冒頭、発言に立った渕上市長は「あいさつに先立ち、一言、おわびを申し上げる」と切り出した。議長職にあった昨年2月、自らの判断で議員辞職したことに触れ、「議会への説明や謝罪機会を設けることがなかった」と述べ、頭を下げた。
その後のあいさつでは、少子高齢化や人口減少への対応、新型コロナウイルスの影響、原油価格・物価高騰に触れ、厳しさを増す地域社会の現状に言及。選挙戦で「未来への3本柱」として掲げた▽地元産業を強く元気に▽若者の活躍でみんな笑顔に▽支え合ってみんな幸せに──を挙げ、産業振興や持続可能なまちづくり、幅広い世代が過ごしやすい地域社会への意欲を込めた。
最後に「多様な地域課題を一つでも多く克服し、さらに事業の選択と集中を進め、柔軟な発想と勇気を持って施策を展開し、市民の負託に応えたい」と述べ、支援を求めた。
市当局の提出案件は、車両接触、水漏れの各事故に関する損害賠償の報告2件に加え、市職員の定年、職員給与などに関する条例一部改正、一般会計と簡易水道、下水道両特別会計、市水道事業会計の各補正予算、市道認定の議案計10件。27日(火)の最終本会議で採決が行われる。
21日から3日間の一般質問では12議員が登壇。市長の政治姿勢や公約実現への取り組みを問う内容が目立つ。登壇議員と質問事項は次の通り。
【21日】
▽佐藤優子議員(光政会)①市長の政治姿勢②子育て支援策
▽渡辺徹議員(同)①新型コロナウイルス感染症の対応②公共事業における入札制度のあり方
▽森亨議員(同)①産業振興②市営住宅のあり方③スポーツ少年団活動
▽伊藤力也議員(同)①市長公約②市が考えるDXの取り組み
▽東堅市議員(新政同友会)①新市長としての抱負②高齢者の「健康寿命延命策」③当地の観光資源の開発
【22日】
▽熊谷昭浩議員(同)①市長としての説明責任のあり方②吉浜地区太陽光発電事業③市長の選挙公約の実現
▽今野善信議員(同)①不登校の実態と対応②都市公園の管理③市長が掲げる市政課題
▽船砥英久議員(改革大船渡)①市長の市政方針②鳥獣被害対策③当市の借地④スクールバス
▽船野章議員(同)①市の行財政運営に係る現状認識②戸田市政3期12年の実績評価等③渕上新市長が公約に掲げている案件等
▽山本和義議員(日本共産党大船渡市議団)①市長選でも議論された子育て支援の拡充②住民合意の無い吉浜の太陽光発電計画は、中止させるべき③氷上山中心の岩手大船渡陸前高田風力発電事業
【23日】
▽滝田松男議員(同)①新市長の政治姿勢②市民生活を守る施策③移転元地の利活用
▽森操議員(無会派、公明党)①こども家庭庁の発足に伴う当市の対応準備②妊娠時からの伴走型相談支援と給付金③小中学校の不登校の現状とその対策④義務教育の中で姿勢科学のセミナーを児童生徒及び父母向けに行うこと⑤末崎の観光道路の案内看板の設置