悔しさ糧に目指す〝8強〟 盛岡誠桜の熊谷、清水両選手 ともに気仙出身 2年連続で春高バレー出場へ

▲ 2年連続で春高の舞台に挑む盛岡誠桜女子の熊谷選手㊨と清水選手

 第75回全日本バレーボール高校選手権大会(春高バレー)は来年1月4日(水)、東京都の東京体育館で開幕する。2年連続出場となる本県の女子代表・盛岡誠桜には、陸前高田市立高田第一中学校出身の熊谷真伶選手(3年)と大船渡市立大船渡中学校出身の清水麻衣選手(2年)がメンバー入り。前回大会で1回戦敗退を喫した悔しさを糧に練習を重ねている選手たちは、チームの目標である〝ベスト8〟を目指して闘志を燃やしている。(菅野弘大)

 

 盛岡誠桜は、10月に行われた県予選会で1回戦から準決勝までの4試合をオールストレートで勝利し決勝に進出。決勝では、高田を3―1で下し、2年連続27回目の全国出場を決めた。熊谷選手は「決勝の高田戦は地元の後輩も多く出場していて、気持ちの面で負けないように臨んだ。先輩方が積み重ねてきた盛岡誠桜の歴史の中で、自分の代で2年連続の全国出場を決めることができて安心している」と心境を語った。
 陸前高田市気仙町出身の熊谷選手は、気仙バレーボールスポ少、高田第一中(気仙中)を経て盛岡誠桜に進学。ミドルブロッカー(MB)として高い打点から放つスパイクと的確なブロックを武器に存在感を見せ、県予選で優秀選手に輝いた。昨年から主将を務めるなどリーダーシップも発揮し、チームを2年連続の春高出場に導いた。
 大船渡市大船渡町出身の清水選手は、大船渡バレーボールスポ少で競技を始め、大船渡中卒業後の進路に盛岡誠桜を選んだ。ポジションはMBで、県予選での出場はなかったものの、日々のトレーニングで着実に技術と能力が向上。「ジャンプの高さに手応えを感じている」と語り、跳躍力を生かしたプレーが期待される。
 前回大会は、1、2年生主体のフレッシュなメンバーで全国の舞台に挑んだが、結果は1回戦敗退。その後の県新人大会や県高総体でも優勝を逃すなど、悔しさを味わった。熊谷選手は「全国大会で1勝もできなかった。県予選での優勝はもちろん、『全国で勝てるチーム』になるために練習を重ねてきた」と振り返る。
 現在の2、3年生は、2度目の〝オレンジコート〟に立つこととなる。清水選手は「常に気を引き締めていないとやられてしまう、そんな空気だった。背筋が伸びる感覚」と、大舞台の独特な雰囲気を体感。「最後の大会となる先輩たちのためにも、鼓舞の声やベンチワークでチームを盛り上げ、全員で勝ちにこだわりたい」と誓う。
 この1年間、全国の舞台で勝つことをイメージして活動してきた選手たち。熊谷選手は「他チームと比べ、自分たちは経験の部分で上回っている。あとは本番のプレーで上回れるかどうか」と分析したうえで、「3年生は負ければ引退。これまで支えてくれた方々への感謝や地元の思いも背負ってプレーし、目標のベスト8に向けて、最後の1点まで持ち味を出し切りたい」と意気込んだ。
 大会には男女各52校が出場し、トーナメント戦で頂点を争う。盛岡誠桜女子は、4日午前9時15分からの1回戦で、東京都の共栄学園と対戦する。