まちづくり総合計画「順調に推移」6割 推進委が進ちょく確認 今後の展開も協議

▲ まちづくり総合計画の進ちょく状況が示された推進委

 陸前高田市総合計画推進委員会は21日、高田町の市コミュニティホールで開かれた。新型コロナウイルス禍の影響で2年ぶりの開催。市まちづくり総合計画(平成31年度~令和10年度)のうち、令和2、3年度の実績と本年度の取り組み、今後の展開を確認した。33の基本政策ごとの昨年度までの進ちょく評価が示され、「順調に推移」と「おおむね順調に推移」が合わせて6割を占めた。(高橋 信)

 

2年ぶりの開催

 

 委員約20人と市幹部職員が出席。任期満了に伴う委嘱状交付のあと役員を選出し、委員長には市地域女性団体協議会長の菊池清子氏、副委員長には陸前高田商工会長の伊東孝氏が就いた。
 計画で定める基本目標は八つ。協議では目標ごとの計33の基本政策の実施状況を把握する目安として、さらに細分化した約100項目におよぶ取り組みの実績値と進ちょく評価を確かめた。
 それによると、各評価の割合は、「順調に推移」34・7%、「おおむね順調に推移」25・5%、「やや進ちょくに遅れ」37・8%、「進ちょくに遅れ」2%となった。
 「進ちょくに遅れ」と評価した指標は、「新規林業就業者数」と「まちづくり団体活動補助金による支援件数」の二つ。林業就業者は令和2年度、3年度ともにゼロだった。補助金は今年3月、同市の協働のまちづくり指針策定を受けて制度創設に取りかかり、年度内の運用を目指している。
 委員は2年度75万人、3年度93万人の観光入込客数を取り上げ、「順調に推移しており非常に喜ばしいこと」としたうえで、震災前からの課題である冬季の観光振興策について尋ねた。
 戸羽太市長は「東北では比較的雪が少ない気候を生かし、パラスポーツを含めスポーツ合宿の誘致に力を入れる」と答えた。
 このほか、委員からは「小学生が参加する大会があれば、その親や祖父母も一緒にやってくる。夢アリーナたかたの利用増も見据え、冬に小学生の大会を開催し、そこから観光振興につなげてほしい」との要望もあった。
 まちづくり総合計画は、平成30年度までの震災復興計画を継承するまちづくりの最上位計画で、31年3月に策定。まちの将来像を「夢と希望と愛に満ち/次世代につなげる/共生と交流のまち陸前高田」と定め、▽創造的な復興と防災・減災による安全・安心なまちづくり――など三つを基本理念に掲げている。
 計画推進委は令和元年10月、市民などからの意見を計画の推進に反映させようと設置。委員は各種団体の代表や知識経験者ら29人で構成し、年1回、会合を開き、計画の進ちょく状況を確かめている。昨年度はコロナ禍の影響で開催を見合わせた。
 委員は次の通り。
 ▽委員長=菊池清子▽副委員長=伊東孝
 ▽委員=菅野稔、猪股岩夫、砂田光保、菅野賀一、木村昌之、佐々木公一、大坂司、菅野速男、金野ヨシ子、岡田耕吉、佐々木保伸、金野廣悦、畠山正彦、長谷川節子、出雲忠幸、熊谷大樹、佐々木学、菅原壯一、小泉豊太郎、畠山晃男、蒲生由美子、鈴木秋子、伊藤昌子、佐々木良麻、黄川田美和、富山泰庸、伊藤雅人