備えの重要性理解 震災津波伝承館 避難所グッズを体験(別写真あり)
令和4年12月25日付 8面

陸前高田市の東日本大震災津波伝承館による「避難所グッズたいけん!」は24日、国営追悼・祈念施設管理棟セミナールームで開かれた。参加者らは、避難所用の段ボールベッドなどの組み立て、防災リュックの中身点検といった体験を通じ、自然災害に対する日頃からの備えの重要性に理解を深めた。
この催しは、同館が1月9日(月・祝)まで同館ゾーン4(道の駅側・地域情報スペース)で実施中の企画展示「岩手県の避難所─東日本大震災津波から見えてきたこと─」の関連事業。避難所生活で使うさまざまなグッズを体験してもらい、平時からの備えを考えてもらおうと企画し、県男女共同参画センターが協力した。
初日となった今月24日は、午前と午後の2回行われ、このうち午前の部には市民ら5人が参加。同館の武田麻紀子主査の進行で、各種体験を行った。
はじめに段ボールベッドの組み立てが行われ、参加者らは協力して作業を展開。説明書を参考にパーツを組み立て、つなぎ合わせて幅90㌢、奥行き1㍍92㌢、高さ30㌢のベッドを完成させた。その上に横になるなどして強度を確認し、「寝心地はいい」「思ったよりしっかりしていて、普通に寝られそう」などと話した。
段ボールトイレも参加者同士が力を合わせて組み立て、水を入れた袋に凝固剤を入れる実験も。トイレや着替えなどの場として活用できる簡易テントの使い方、避難所で必要となる1人当たりの生活スペースも学んだ。
最後は、防災リュックの準備として、懐中電灯や手袋、マスク、使い捨て食器など中に入っている物品をチェック。そのうえで、ほかに必要なものがないかを参加者同士で話し合い、水やカイロ、ウエットティッシュ、電池などが挙がった。
武田主査は、「ほかにも、女性ならではのものや薬、お薬手帳などがあると思う。日頃から、個別で必要なものを考えておかなければならない」とアドバイスを送り、備えの大切さを呼びかけていた。
高田町から参加した久保玲奈さん(29)は、同町の一般社団法人トナリノで防災に関する事業を担当。「普段は展示しているもので体験事業を行っているが、段ボールベッドなどの組み立てはしておらず、こうして参加者が手を動かせるとイメージがしやすくていいなと思った。防災活動を紹介する新たなヒントにもなった」と話し、充実した表情を見せていた。
催しは、25日、来年1月7日(土)、8日(日)にも開催。時間はいずれの日も、午前11時からと午後2時からで、体験内容は同じ。
定員は各回10人。参加は電話で申し込みを受け付けているほか、当日直接の来場も歓迎する。
申し込み、問い合わせは同館(℡47・4455)へ。