解体工事進む昭和橋 すでに半分以上撤去 来年5月完了見込み
令和4年12月25日付 1面

住田町世田米を流れる気仙川に架かる昭和橋の解体工事が本格化している。11月に着工し、今月に入ってから橋本体の解体が開始となり、現在は半分以上が撤去されている。解体工事は来年5月には完了する見込み。
気仙川に架かる長さ73㍍の昭和橋は昭和8年に架橋。かつて宿場町として栄えた世田米商店街側と、役場などがある川向地区を結ぶ。気仙川沿いに立ち並ぶ蔵並みと調和し、歴史や古き良きたたずまいを感じさせる景観を形成してきたが、県の治水対策の一環として架け替えられる。
新しい橋は、鋼桁とコンクリートを合成したものを用いて建設。橋長は72㍍、幅員は7・8㍍、橋脚は1本で、構造上で必要な幅は確保しつつも、必要以上に大きくすることは避け、橋上部に合わせた形状で整備する。新橋設置の工事は、気仙川の稚魚放流時期やアユ漁解禁期間を避けながら進め、完成は令和7年度末を目指す。
昭和橋とその周辺は通行止めとなっており、歩行者は現橋の下流側約200㍍地点に設置された仮設の歩道橋を利用している。
解体は川向地区側から行われており、すでに半分以上が姿を消した。年明けには残る世田米商店街側も、騒音や振動に配慮しつつ撤去となる。
現橋の高欄に残る太平洋戦争の空襲で弾片が貫通したとされる穴や、橋名を記した親柱は新橋完成後にモニュメントとして設置する予定で、現在は世田米の町農林会館近くで保管されている。

QRコードから工事の状況を確認できる
解体工事を受注している陸前高田市の㈱佐武建設では、橋のたもとにライブカメラを設置しており、動画投稿サイト「YouTube」で工事の進ちょく状況を確認できる。