デジタルの奥深さに触れる VRコンテンツを制作 高校生ら対象に体験キャンプ

▲ 高校生が最新デジタルコンテンツの制作に挑戦

 住田町が主催するデジタル体験キャンプは26、27の両日、町役場や世田米地内を会場に行われた。内閣府が設置する「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」の分科会が体験プログラムを提供し、管内の高校生らがVR(バーチャルリアリティー)コンテンツの制作に挑戦。最先端の技術に触れながら、デジタル活用への興味・関心を高めた。キャンプは来年1月にも行われる。(清水辰彦)

 

 この取り組みは、デジタル活用能力の理解・向上や、将来の職業選択肢を増やすきっかけにしてもらおうと開催。気仙地区内の高校生ら約10人が参加した。
 同プラットフォームは、国内でのSDGsの促進と地方創生を目的に、内閣府が設置。この中のデジタルワークファクトリー推進プロジェクト分科会では、最新デジタル技術の活用による地方での仕事創出、デジタル人材の育成、地域産業発展、移住のきっかけづくりを進めており、国内各地でデジタル体験キャンプのプログラムを提供している。
 本県では初の開催となった今回は、同分科会メンバー企業となっているスマートワーク㈱(東京都)の吉田徹代表取締役CEO、㈱クレコ・ラボ(同)の興津世禄代表取締役ディレクターが講師を務めた。
 26日は役場町民ホールでのオリエンテーションのあと、VRコンテンツの制作作業に移った。VRは「人工現実感」や「仮想現実」と訳されている。「表面的には現実ではないが、本質的には現実」という意味が含まれており、「限りなく実体験に近い体験が得られる」ということを示す。
 同日は360度撮影可能なカメラを使って庁内や世田米の住民交流拠点施設「まち家世田米駅」、町が整備を進めている「仕事と学び複合施設」を撮影。
 27日には、撮影した素材の編集作業が行われ、参加者が撮影した画像を編集し、行ったことのないまちや建物の中をオンライン上で歩き回れる「バーチャルツアー」コンテンツの制作に挑戦した。
 参加者は慣れない作業に苦戦しながらも、講師のアドバイスを受けながらコンテンツ制作に励み、作業を通じてデジタルでのものづくりの楽しさを感じていた。
 来年1月に完成する「仕事と学び複合施設」は、仮設住宅団地跡を活用してサテライトオフィス、オンラインを活用したイベントや各種講座の開催等が可能なコワーキングスペースなどを配置するもので、リモートワークやテレワークといった新たな働き方の受け皿となる。町では若者にデジタルに触れてもらうことで、同施設への利用促進にもつなげたい考え。
 町企画財政課政策推進係の関口隆係長は「若い人たちがデジタルに触れる機会を創出し、少しずつでもその輪を広げていければ」と話している。
 デジタル体験キャンプは、来年1月10日(火)と同11日(水)にも開催し、ホームページ作成ツール「Wix」を使ったホームページ制作作業を行う予定。同5日(木)まで、参加者を募集している。対象は気仙2市1町、釜石市、遠野市の高校に通う生徒で、参加は無料。会場までの送迎については、応相談。問い合わせ、申し込みは同課(℡46・2114)まで。