酒も美味「俺の米」 世田米の紺野さん 本格販売視野に試飲会
令和4年12月29日付 6面

紺野敏郎さん
住田町世田米の農家・紺野敏郎さん(71)が生産した米を使った純米酒が、このほど完成した。26日夜には世田米の住民交流拠点施設「まち家世田米駅」内のレストラン・kerasseで仲間を集めての試飲会が開かれ、紺野さんが手塩にかけて育てた米から生まれた酒の味わいを楽しんだ。(清水辰彦)
紺野さんは、世田米地内の田んぼ約2㌶で主にひとめぼれを生産している。「敏郎俺の米」の名で町のふるさと納税返礼品としても取り扱われており、毎年完売するほど人気が高く、全国にファンがいる。
大の酒好きだという紺野さん。これが高じて、自ら育てた米での酒造りも思いつき、一昨年には親交のある遠野市の上閉伊酒造に依頼して試験的に「敏郎俺の酒」と命名した特別純米酒を開発した。
今年は本格的な販売を見込み、紺野さんの米と上有住の水を使った特別純米酒と発泡性清酒の2種類を醸造。特別純米酒は720㍉㍑入りと300㍉㍑入りで、発泡性清酒は300㍉㍑入りで販売し、気仙川に架かる昭和橋や、上有住の観光地・滝観洞もラベルにしている。
試飲会には、紺野さんの知人、友人ら約20人が出席。テーブルを囲んで2種類を飲み比べながら完成を祝った。出席者からは「飲みやすい」「米の甘みが広がるし、適度なコクと苦みがあって、おつまみと一緒でもいいし、単体でもおいしい」などと好評を得た。
商品は町内店舗で販売するほか、同町のふるさと納税返礼品としての取り扱いを見据える。紺野さんは「こうやって和気あいあいと飲むための話題になってくれれば。それがまちのにぎわいにもつながっていけばうれしい」と話す。

滝観洞内でも熟成させる
町内では早速、この酒を活用した取り組みがスタート。上有住の滝観洞観光センター(住田観光開発㈱運営)では28日から、720㍉㍑入りの純米酒12本を洞内で熟成させている。6カ月間と1年間でそれぞれ保管し、1年後に一般にも振る舞う予定。
洞内は年間を通して温度が10度前後と安定しており、日光も当たらないことから保存に適しているといい、滝観洞の利活用のきっかけにもなればと同センターが申し出た。
同センターでは2年前にも、紺野さんの酒を洞内熟成させており、その際は「6カ月でカドがとれてまろやかになり、1年経過するとキリっとした味わいになった」という。
2年前の熟成酒は関係者のみで試飲したが、今回は1年寝かせたものを広く振る舞うことを考えている。
滝観洞は、令和6年度に新たな受付棟が供用開始となる予定で、住田観光開発の千葉孝文常務取締役は「新しい施設ができたあとの目玉商品にもなれば」と期待を込める。





