官民一丸で影響打破を 気仙両市で新年交賀会 コロナ禍、物価高騰の収束願い(別写真あり)

▲ 3年ぶりに開催された大船渡市の新年交賀会

 官公庁や多くの民間事業所で令和5年の仕事始めを迎えた4日、気仙両市ではそれぞれ、年頭あいさつの場となる新年交賀会が開かれた。官民各界の代表らが一堂に会し、新型コロナウイルスや物価高騰の影響の早期収束に加え、持続可能なまちづくりの進展に向けて思いを一つにした。(佐藤 壮、高橋 信)

 

苦境乗り越え3年ぶり開催/大船渡市

 

 大船渡市の令和5年新年交賀会(市、大船渡商工会議所、市農協、市水産振興連絡会主催)は、大船渡町の大船渡プラザホテルで開かれた。新型コロナウイルスの影響で一昨年、昨年は中止したため、3年ぶりの開催。出席者は苦境打破への思いを強くしながら、年頭のあいさつを交わした。
 市各種女性団体連絡協議会や大船渡青年会議所が共催。今回は会券発行による一般参加の受け付けは行わず、主催、共催の各団体が直接参集予定者に案内を出し、産業界をはじめ各種団体の代表者ら約70人が出席した。
 市民歌斉唱に続き、志田努副市長が「復旧・復興事業の成果を礎に、市民や関係機関・団体との連携を深め、活気あるまちづくりに全力で取り組む」と、渕上清市長の年頭あいさつを代読。千葉盛県議、大久保義人県沿岸振興局副局長がそれぞれ祝辞を述べた。
 乾杯では、市農協の猪股岩夫組合長が登壇し「一日でも早く、新型ウイルスとウクライナ情勢の収束を願い、皆さんとともに、豊かで活力あるまちづくりを進めたい」と声を上げた。
 感染防止の観点から会食を見送るなど、例年よりも簡素化を図った。後半は懇談、万歳三唱と続き、約1時間で終了した。

 

 

祝賀の舞が披露された陸前高田市の新年交賀会

輝かしい年へ思い一つに/陸前高田市

 

 陸前高田市の令和5年新年交賀会は、高田町のキャピタルホテル1000で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、昨年に続いて規模を縮小しての開催を余儀なくされた中、出席した関係者約50人がコロナ禍や物価高騰の苦難を乗り越え、輝かしい一年にしようと思いを一つにした。
 主催者を代表し、陸前高田ロータリークラブの新沼繁樹会長が「コロナが収まらず、自粛ムードが続く中、徐々ににぎわいを感じ始めている。今年は全国植樹祭がある。震災から12年の歩み、今の陸前高田を見てもらう機会としよう」とあいさつした。
 戸羽太市長は年頭に当たり、「コロナが市民生活に暗い影を落とし、追い打ちをかけるようにウクライナ侵攻があったが、市内では明るい話題もあった。皆さんの英知を集め、輝かしい令和5年としたい」と強調した。
 佐々木茂光県議は「震災からの復旧・復興は進んでいるが、時間の経過とともに出てきた新たな課題を一つ一つ解決し、本当の復興を目指そう」と呼びかけた。
 日本舞踊・若柳流師範の若柳弥央(本名・中井裕子)さん(72)が祝賀の舞を披露し、市議会の福田利喜議長の発声で乾杯。会食は見送り、万歳三唱で締めた。
 新年交賀会は市や商工会、農協、漁協など11団体が主催する新年の恒例行事。例年200人程度が集まるが、今年は昨年同様、参加者を4分の1程度に絞り、開催時間も短縮した。