寒さ吹き飛ばす〝お得感〟 初売りで伝統の抽選会 気仙の商業施設や商店街 昨年以上の行列も

▲ 今年も活気を呼んだサン・リアの「二百本引き」

 気仙の商業施設や各商店街は、今年も2日を中心に初売りの多彩な企画で買い物客を迎えた。新型コロナウイルスの影響が続く一方、買い物客自らが選ぶ定番の抽選企画を実施した施設では、昨年以上の人出も。関係者は寒さに負けない活気に手ごたえを感じながら、今年一年のにぎわい創出に願いを込めた。(佐藤 壮)

 

商店街関係者と買い物客が交流を深めたさかり中央通り商店街振興組合の抽選会

 大船渡市内の地元資本大型店は今年も、2日の初売りでほぼ足並みがそろった。小雪が舞い、厳しい寒さと風に見舞われたが、開店前から列ができた。
 このうち、盛町のサン・リアでは、えとの卯年にちなんで「心卯(う)わ向く、卯(う)れしい年に」と、今年も恒例の「新春運試し二百本引き」を実施。参加料1回5000円で、今年は末等を500円上乗せの5500円とし、特賞は昨年に続いて5万円分のギフトカードを用意した。
 箱から手で引く形式とはせずに、来店客が番号を指定。番号カードの裏側に賞が記入してあり、サン・リア関係者がすぐに確認でき、密や接触の解消を図った。
 開店約1時間前から列ができ始め、昨年を大幅に上回る約180人が並び、20分で終了。寒さをものともしない盛況ぶりに、関係者からは「他の店舗でこういった抽選がなくなった分、お客さんが集まっているのかもしれない」といった声が聞かれた。
 番号は「1」「10」といったきりのいい数字に加え、令和5(2023)年とあって、開始直後は「5」「23」にちなんだ指定も目立った。特賞などが当たると、景気づけの鐘の音が鳴り響いた。
 抽選を終えた買い物客が店内を巡り、福袋商品を購入するなど消費行動の〝循環〟も生まれた。市が先月から実施しているプレミアム付商品券を購入する市民も見られた。
 サン・リアを運営する協同組合南三陸ショッピングセンターの佐藤英克理事長(63)は「明らかに出足が良く、ほっとしている。この2、3年で消費形態が大きく変わり、コロナ禍で中高年はあまり外に出ず、ネット販売が伸びている状況に対応しなければならない。幸先の良いスタートを機に〝リアル店舗〟のわれわれも上乗せできるように頑張らなければ」と話していた。

かもめテラスでは、開店直後に福袋が完売に

 一方、さかり中央通り商店街振興組合(古内一二理事長)による抽選会は、古内電器商会隣の屋外で実施。参加店で2000円以上を購入すると抽選に参加でき、続々と地域住民が訪れた。
 5割以上の確率で当たる米や商品券といった目玉賞品が評判を呼び、初売り企画の穴場としても知られる。組合関係者は訪れた住民に「おめでとう」「今年もよろしく」などと声をかけながら、年頭恒例の交流を楽しんでいた。
 古内理事長(67)は「店主の高齢化など商店街は大きな節目に来ていると感じるが、少しでも地域の役に立てば。企画をやれば、お客さんから要望や意見も出る。こうした声がある分だけいいと思っている」と語った。
 大船渡町のキャッセン大船渡内に構えるさいとう製菓㈱(齊藤俊満社長)の「かもめテラス」では、2000円の福袋を150セット用意。午前9時の開店前には約170人が列をつくり、密を避けるため15人ずつ店内に入れるといった対応をとった。売り切れ後も、絶えず来店があり定番商品や詰め合わせ品を買い求めていた。