防潮堤にタイルアート 三陸まちづくりART 3~5月展示へ協力呼びかけ
令和5年2月3日付 2面

大船渡市盛町の一般社団法人三陸まちづくりART(前川一枝代表理事)は、3月10日(金)~5月26日(金)に、大船渡駅周辺の防潮堤635㍍を活用したタイルアートの展示を計画している。昨年9~10月にも好評を博した取り組みで、今回は期間中にもワークショップを織り交ぜ、作品を広げる方針。きょう3日から、資材費や経費などの財源に充てるクラウドファンディングを始める。
同法人は三陸ブルーラインプロジェクトとして「ウオールアートで、伝える。つなぐ。祈る」をスローガンに掲げ、夢海公園沿いなどの635㍍の防潮堤にタイルアートを飾る取り組みを計画。三陸国際芸術推進委員会とも連携している。
東日本大震災から12年を迎え、小学生のほとんどが震災を知らない世代となった中、制作を通じた伝承・防災への意識醸成を目指す。コロナ禍の長期化で、被災地に訪れる人々も減少傾向にある中、来訪のきっかけづくりも見据える。
昨年9~10月にかけても、同プロジェクトのデモンストレーションとして、防潮堤に青を基調とした約1万枚のタイルを貼り付けたほか、市内外の子どもたちが制作したウミネコのアート作品も添え、豊かな海を表現。市内外から関心を集めたほか、貼り付けたタイルによって、防潮堤が傷つかないことなども確認した。
今回は、災害の記憶を刻んだタイルや、地元の子どもたちと制作したモザイクタイルを飾る計画。今月から芸術家と地域住民らによるワークショップが始まり、設置作業への参加を呼びかけるほか、期間中も公募型のワークショップを開催して作品を仕上げ、防潮堤に彩りを添える。
展示終了後、外したタイルは保管。今年秋以降に、これまでの成果を生かした永続的な展示も見据える。
同法人では「地元に暮らしていながら、防潮堤のそばに行く機会は少ない。防潮堤について知り、防災へ意識を高める機会になれば。制作、作品設置を通じた交流人口にもつなげたい」としている。 クラウドファンディングの目標額は500万円。タイルには、寄付者の名前を刻印する。返礼品として、取り組みを支援する業者が取り扱う特産品を用意する。寄付者の来訪・制作参加も呼びかけることで、交流拡大を見据える。 取り組みの問い合わせは、事業事務局(みんなのしるし合同会社内、℡47・5123)。クラウドファンディングの紹介ホームページに入るQRコードは別掲。