三陸の海 ウニから知る 越喜来で学習・体験会 地域おこし協力隊員が主催 磯焼け対策の現状間近で(別写真あり)

▲ 漁船に乗ってウニ漁や磯焼けの現状を学ぶ参加者たち

 大船渡市三陸町越喜来で4日、磯焼け学習とウニ漁疑似体験会が開かれた。参加者は小型漁船に乗船し、ウニ漁で使用する箱めがねで海藻が育っていない磯焼け状態を確認したほか、原因とされるウニを生かした畜養事業現場で漁の様子を間近で見学。甫嶺復興交流推進センターでは畜養ウニの殻むきを通じて漁業者らと交流を深め、三陸の海への関心を高めた。(佐藤 壮)

 

 この学習・体験会は大船渡市の地域おこし協力隊・岡田真由美さん(48)が主催。地域産業の現場で広がる磯焼けの現状に加え、漁業やそれに携わる人々の魅力に理解を深めてもらおうと初めて企画し、越喜来漁業協同組合や同青壮年部が協力した。
 県内外から10人が参加し、浪板漁港で小型漁船に乗り込んだ。磯焼けが見られる場所では、箱めがねでのぞき込み、岩場にウニだけが生息する海底の状況を確認。案内役の漁業者からウニ漁の流れなどを聞き、疑似体験も行った。
 漁港内では、漁業者が畜養しているウニを採捕。漁船から身を乗り出し、タモ網で次々と集める姿を間近で見つめた。
 甫嶺復興交流推進センターでは、同漁協の青年漁業士の里見和哉さん(37)が、磯焼け対策と藻場の再生、ウニの畜養事業などに関する活動を説明。第64回漁村活動実績発表大会で最優秀賞に輝き、3月に東京都で開かれる全国青年・女性漁業者交流大会(全漁連主催)での発表も予定している内容で、ダイバーやボランティアらも参画した幅広い取り組みを紹介した。

畜養ウニを生かした殻むき体験も

 センター内では、畜養ウニの殻むき体験も。実際に漁業者が用いる道具だけでなく、一般的な台所用はさみの活用も学び、自らで取り出したむき身を炊きあがった白米にのせ、採れたてのおいしさを満喫した。
 参加した釜石市の清原拓磨さん(25)は「海藻がない状況の海を見ることができたし、商品として手にするだけでは分からない漁業者の手間も知り、いい機会になった」と語り、笑顔を見せた。
 岡田さんは令和2年に着任して以降、SDGs関連の企画展や高校生の体験・学習に携わるだけでなく、夫とともに越喜来で漁業にいそしんできた。盛況ぶりに目を細めながら「消費者の視点では、なかなか知ることができない内容だったと思う。皆さんが興味を持って参加してくれて良かった。今回寄せられた感想や反応をもとに、今後の活動を考えていきたい」と話していた。