昭和橋の解体完了 新橋完成は令和7年度予定

▲ 解体が完了し、昭和橋が姿を消した

親柱や高欄は農林会館近くで保管されている

 住田町世田米を流れる気仙川で架け替え工事が進む昭和橋は、現橋本体の解体が完了した。昨年11月の着工以降スムーズに工事が進んだことから1月中に作業を終え、現在は片付けが行われている。新橋の完成は令和7年度中となる見込み。
 気仙川に架かる長さ73㍍の昭和橋は昭和8年に架橋。かつて宿場町として栄えた世田米商店街側と、役場などがある川向地区を結ぶ。気仙川沿いに立ち並ぶ蔵並みと調和し、歴史や古き良きたたずまいを感じさせる景観を形成してきたが、県の治水対策の一環として架け替えられる。
 解体は川向地区側から開始。昨年末に半分以上が解体され、今年に入ってからは残る世田米商店街側で作業を進めてきた。1月下旬までに本体はすべて解体され、90年にわたって地域住民の生活を支え続けてきた現橋は、ついにその姿を消した。
 現橋の高欄に残っていた太平洋戦争の空襲で弾片が貫通したとされる穴や、橋名を記した親柱は新橋完成後にモニュメントとして設置する予定で、現在は世田米の町農林会館近くで保管されている。
 新しい橋は、鋼桁とコンクリートを合成したものを用いて建設。橋長は72㍍、幅員は7・8㍍、橋脚は1本で、構造上で必要な幅は確保しつつも、必要以上に大きくすることは避け、橋上部に合わせた形状で整備する。新橋設置の工事は、気仙川の稚魚放流時期やアユ漁解禁期間を避けながら進めていく。
 県大船渡土木センター住田整備事務所では「予定通りに完成するように工事を進めていきたい」としている。
 解体工事を受注している陸前高田市の㈱佐武建設では、橋のたもとにライブカメラを設置しており、動画投稿サイト「YouTube」で工事の進ちょく状況を確認できる。