復興祈念公園で試験走行 震災遺構巡る自動運転車 新ルート加え実証実験中 乗車無料3月5日まで

 陸前高田市は、高田松原津波復興祈念公園内で、時速19㌔以下で走る自動運転バスを試験走行する実証実験を行っている。実験は昨年9月に続いて2回目。前回は園内の西側を巡ったが、今回は東側も加え、広い園内に点在する東日本大震災遺構を車に乗りながら見学できる。運行期間は3月5日(日)までで、土・日曜日、祝日はパークガイド付きの便も用意している。ニーズや運行上の課題を探り、AI技術を駆使した環境に優しい自動運転車の本格運行を目指す。乗車無料。(高橋 信)

 

タピック45(左奥)など園内東側の震災遺構を巡る自動運転車

 平日は西側ルートを7往復、東側ルートを2往復する。いずれも発着点は道の駅高田松原で、予約不要で乗れる。
 新たに加えた東側ルートの運行距離は、1往復4・9㌔。ともに震災遺構のタピック45(旧道の駅高田松原)や、園内東端にある下宿定住促進住宅を巡る。所要時間は55分。
 西側ルートは1往復2・6㌔で、所要時間は22分。前回の実験と同様、奇跡の一本松や旧気仙中校舎を回る。
 土日祝日はパークガイド付きを、西側、東側ルートそれぞれ2便ずつ運行。乗車は事前予約が必要となっている。さらに西側では、平日と同様のパークガイド無しも3便運行する。
 実験は広さ約130㌶の園内に散らばる震災遺構を見学できる移動手段確保に向けて実施。車両は10人乗りの1台を使っている。
 昨年9月の実験では平日に1日12便、休日に1日5便走行。市によると、運行日数は平日10日、休日8日で、乗客数は780人だった。
 市は今回の実験で、冬季における運行上の課題などを確かめる。そのうえで本格運行に向けて検討する。
 市政策推進室の松木翔政策広報係長は「運行上の課題を見いだし、社会実装につなげたい」と見据える。
 月曜運休。運行ダイヤは市広報などに掲載。パークガイド付きの乗車予約は、インターネット、または道の駅高田松原玄関の窓口でも可能だが、電話は不可。
 問い合わせは、運行や利用関連がアイサンテクノロジー㈱(℡070・2225・4619)、予約関連が市観光物産協会(℡54・5011)へ。