先輩たちの軌跡 誇りに 〝最終年度〟充実へ意欲 陸上での活躍など 有住中で「卒業生に学ぶ会」(別写真あり)

▲ 後輩たちを前に講演する有住中卒業生

 住田町の有住中学校(岩角聖孝校長、生徒35人)で10日、「卒業生に学ぶ会」が開かれた。主に陸上競技で実績のある同校OB、OGらが母校を訪問し、全校生徒を前に自身の経験などについて講話。生徒たちは卒業生の話に熱心に耳を傾け、統合前の最終年度となる令和5年度に向けて、先輩たちの軌跡をたどり、誇りとしながら充実した学校生活を送るための意欲を高めた。(清水辰彦)

 

 有住と世田米の両中学校は令和5年度末をもって閉校し、令和6年度には新設統合して「住田中学校」となる方針が決まっている。
 同校では来年度が〝ラストイヤー〟となることから、OB、OGらの話を聞くことで陸上、学校生活などに取り組む意識を高めようと学ぶ会を開催。これまで、元日恒例の走り初めなどでも同校卒業生たちが生徒たちにメッセージを送るなどしてきたが、一歩踏み込んだ内容で卒業生から話を聞く機会は今回が初めて。講師として、町陸上競技協会の副会長を務める自営業・今野俊朗さん(56)=下有住在住、専大北上高校職員の佐藤稜さん(27)=下有住出身、山田中教諭の吉田実優さん(25)=同=の3人を招いた。
 はじめに今野さんが、「タイムスリップあの日、あの時 平成22年度 先輩の軌跡」と題してマイクを握った。県陸上競技協会ではアナウンス部に所属している今野さんは、この日講師を務めた佐藤さんが1位に輝いた第31回東北中学校陸上競技大会共通男子3000㍍を振り返った。
 臨場感ある語り口と〝実況〟で、当時の状況を再現。生徒たちも競技の様子を想像しながら、先輩が成し遂げた快挙に心を震わせた。
 続いて佐藤さんが登場。東北大会で1位になるまでの経緯について、「同世代にすごい選手がいて、その選手に勝つために努力を重ねた」と生徒たちに練習の大切さを説き、「自分も人前で話すのが苦手だが、社会に出ればそうした機会は多くなる。中学校のうちに練習し、人前で話す力を身につけておけば役に立つはず」と呼びかけた。
 吉田さんは、中学校1年生時に東日本大震災が発生。「沿岸に家があった先生たちも、自分たち生徒にすごく尽くしてくれた。その恩返しがしたくて先生になった」と教員になるまでの経緯に触れた。「ささいなことでもいいから、毎日頑張ってほしい。それが1年後にはすごく大きくなる」と、継続の大切さを訴えた。
 生徒たちは先輩の話を聞く中で、長きにわたり築かれきた学校の歴史の一端に触れるとともに、よりよい学校生活を過ごすための指針としていた。
 会の終了後、男子は佐藤さんの指導によるトレーニングに臨み、女子は吉田さんとの交流会を楽しんだ。