新型コロナウイルス/マスク着用 個人判断に 3月13日から 政府が考え方示す

▲ 3月13日からマスク着用は個人の判断に委ねられることから、政府はリーフレットなどを通じて国民らに周知を行う

 政府は10日、新型コロナウイルスの感染対策として現在推奨しているマスクの着用について、3月13日(月)からは個人の判断に委ねることを決めた。ただし、重症化リスクが高い人への感染を防ぐため、医療機関の受診時などには引き続き着用を呼びかける。
 政府は、新型ウイルスの有効な感染対策の一つとして、2歳未満などを除いて基本的にマスクの着用を推奨。現在は「原則、屋外では不要、屋内では着用」とし、屋外では身体的距離(2㍍以上)が確保でき、会話をほとんど行わない場合にはマスクの着用は必要ないとしている。
 こうした中、先月27日には感染症法上における新型ウイルスの位置づけを、医療機関などが全ての感染者を届け出なければならない「2類」から、指定医療機関が患者の発生を届け出る「5類」に移行することを決定。5月8日(月)から5類感染症に位置づけることとし、マスクの着用も検討されてきた。
 着用の見直しは、国の感染症対策本部で決まった。現在の取り扱いを改め、行政が一律にルールとしてマスクの着用を求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、本人の判断に委ねることを基本とする。
 円滑な移行を図るため、適用は国民への周知期間や各業界団体、事業者の準備期間なども考慮したうえで来月13日からとした。
 ただし、適用後も高齢者や妊婦、基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人への感染を防ぐため、医療機関、高齢者施設などを訪問、または勤務している場合には、引き続きマスク着用を推奨。混雑した電車やバスに乗車するとき、重症化リスクが高い人が感染拡大時に人ごみに行く際にも着用を勧める。
 新型ウイルスを疑う症状がある、または自身や同居家族が感染した場合には、これまで通り外出は控える。通院などでやむを得ず外出する際には混雑した場所を避け、マスクを着用するよう呼びかけていく。
 なお、学校では新年度を迎える4月1日(土)から適用することとし、それまでの間は現行の考え方に沿った対応となる。ただし、適用前に行われる卒業式について、政府は式の教育的な意義を考慮し、「児童・生徒、教職員はマスク不要」との考えを示している。
 適用後における学校教育活動の実施に当たっては、マスク着用を求めない。ただし、感染不安を抱き、着用を希望する児童・生徒には適切な配慮を行い、換気の確保など必要な対策を講じてもらう。
 政府は、着用の有無が個人の判断に委ねられることから、「本人の意思に反し、マスクの着脱を強いることがないよう配慮をお願いしたい」と理解を求めている。