仲間との絆 絵で深める 盛小で「むすびの旗」制作 東京藝大生らが指導 〝大船渡の色〟テーマに(別写真あり)

▲ 盛小で開催された「むすびの旗」制作

 大船渡市立盛小学校(今野忠頼校長、児童106人)で21日、東京藝術大学美術学部の教員、学生らによる「むすびの旗ワークショップ」が開かれた。同市と東京都台東区立谷中小学校(増嶋広曜校長)の児童らが絵を描き、一つの大漁旗を完成させる取り組みで、新型コロナウイルスの影響を乗り越え、3年ぶりの開催。同日は、盛小の2年生18人が「大船渡の色」をテーマに、まっさらな大漁旗に線を描き込み、地元の魅力を伝えながら、遠く離れた同年代の〝仲間〟とのつながりに思いをはせた。(菅野弘大)

 

 むすびの旗は、大船渡市内の小学校と谷中小が毎年度共同で制作しているもの。各校の児童が自分の地域をイメージした色やモチーフを使って絵を描き、縦2㍍、横3㍍ほどの大漁旗を作る。
 旗の制作プロジェクトは、同学部デザイン科の藤崎圭一郎教授(60)とテクニカルインストラクターの丸山素直さん(39)を中心に、東日本大震災の復興支援の意味も込めて平成26年度にスタート。東京の㈱大丸松坂屋百貨店で行われていたワークショップがもととなっており、完成したむすびの旗を同店に掲揚した年もある。
 3年ぶりの開催となったこの日は、藤崎教授や丸山さん、学生4人が盛小を訪問。
 ワークショップでは、児童らが事前に用意した「自分が思う大船渡を表すもの」から色を抜き出し、絵の具を使って混ぜ合わせ、「大船渡の色」を作成。特産のホタテの貝殻や市花であるツバキの種、市内を走る列車の絵など、持ち寄ったモチーフを観察し、学生らのアドバイスを受けながら、自分だけの色を完成させた。
 続いて、旗への描き込み作業に移り、児童らが一人ずつ絵の具を筆に付け、線をつないだ。直線や曲線のほか、波線、直角、円を描く児童もおり、自由な発想で筆を走らせ、18人全員が描き終えると、羽を広げた鳥、または恐竜のようにも見える絵が出現した。
 金野蒼大君は、岩手開発鉄道の車体をモチーフに色を作った。「学生の人たちは色を作るのが上手で驚いた。東京にはなかなか行けないけど、絵でのつながりを大切にしたい」と思いを寄せた。
 このあと、児童らは谷中小に向けて大船渡の魅力を伝える手紙を書き、絵を通じた絆を実感。藤崎教授は「アートは、世代や場所を超えるコミュニケーションのツール。子どもたちの目線で作品づくりに取り組み、学生たちもいい体験になったのでは」と期待した。
 盛小の児童が描いた旗は後日、谷中小で開かれる同様のワークショップで作品として完成させられる予定。丸山さんは「久しぶりの大船渡で、『ただいま』という懐かしい気持ちになった。この旗がどのような作品になるか想像もつかないが、しっかり完成させてお披露目できれば」と話していた。