2023県議選大船渡・陸前高田選挙区/畠山氏(陸前高田市議)が出馬へ 新人初の起意表明 新区割下で競争選の見通し

畠山恵美子氏

 9月10日の任期満了に伴う県議会議員選挙の大船渡・陸前高田選挙区(定数2)に、陸前高田市議の畠山恵美子氏(52)=横田町=が出馬の意志を固めた。現段階では無所属で挑む考えで、県議選告示まで市議を続ける方針。新人の起意表明は初。現在の大船渡選挙区、陸前高田選挙区の現職がともに立候補を予定しており、新たな区割り下で競争選が展開される見通しとなった。(佐藤 壮)

 

 畠山氏は法政大学大学院修了。明治大学研究・知財戦略機構古代学研究所勤務などを経て、平成27年の市議選で初当選を飾り、現在2期目。議会運営委員会副委員長や議会選出の監査委員、気仙広域連合議会議員などを務める。
 東海新報社の取材に「今回、選挙の枠組みが、気仙広域連合を構成する市町と同じになったことが大きい。医療や道路、女性支援など、基礎自治体だけでは解決できない課題を県議会で議論したい。バランスの取れた地域振興策であるべき」と語った。
 市議活動を支える既存の後援会(長谷川節子会長)が主な支持母体となり、先月には住田支部が発足。大船渡市内では、畠山氏や後援会役員らの人脈を生かしながら掘り起こしを進めるとともに、マニフェストをもとにした浸透にも力を入れる。
 これまで、岩手、宮城両県の市議で構成し、総務大臣に届け出た超党派の政治団体「とうほく未来創生」の一員としても活動。広域的な振興策や課題解決を見据え、複数の市議が県議選出馬を予定・検討しており、実質的な支援団体の一つとなる。
 畠山氏は自民党員だが、党の推薦に関しては「各支部の方々がふさわしいとご判断いただけるのであれば、受けたい」と語る。
 これまで、同党公認で岩手2区選出の鈴木俊一衆議院議員、岩手選挙区の広瀬めぐみ参議院議員を応援。知事選に関し、後援会としての意思統一はないが、畠山氏本人は「(出馬を予定している)千葉絢子氏の考え方に賛同」とする。
 陸前高田市議の任期は今年9月10日までで、辞職はせず、議会活動や監査委員としての職務を続ける。県議選告示の立候補届け出と同時に、自動失職となる見込み。
 県議選はこれまで、いずれも定数1の大船渡選挙区(大船渡市)と陸前高田選挙区(陸前高田市、住田町)に分かれていたが、区割り改定に伴い、合区で「大船渡・陸前高田選挙区」(定数2)となる。
 現職の千葉盛氏(40)=大船渡選挙区・1期、大船渡市猪川町=と、佐々木茂光氏(65)=陸前高田選挙区・3期、陸前高田市気仙町=は、そろって出馬の構え。畠山氏の表明で3人目となり、競争選挙の見通しとなった。
 昨年12月1日現在の有権者数は、大船渡市が2万9458人(男1万4036人、女1万5422人)、陸前高田市1万5915人(男7674人、女8241人)、住田町が4398人(男2158人、女2240人)。